中国には高速鉄道や地下鉄車両など他国から高い評価を受けている製品が存在するが、中国製造業のすべてが順風満帆というわけではないようだ。中国メディアの今日頭条が27日付で掲載した記事は、米アップルや台湾の受託製造 (EMS)大手フォックスコンが中国離れを進めていると説明し、中国の製造業が直面している問題について論じた。


 記事は、インド政府がかつてアップルに対してインドで100万人の雇用を創造する投資を求めていたことを紹介しつつ、アップルが25日にインド政府に投資の詳細な計画を提出したと紹介。これはアップル製品の最終組み立て工場をインドに建設するという投資計画であり、現在は組み立て工場の大半は中国にあるが、今後はアップル製品にとってインドが生産の主要拠点となる可能性があると伝えている。

 また、フォックスコンが米国に5万人の雇用を創出するため米国に工場を建設する計画でいることも紹介。しかし、フォックスコンの計画はアップルの動向とは一切関係がなく、むしろ中国国内におけるEMSには「未来がない」という考え方に基づくものであると指摘。

 この中国国内におけるEMSには「未来がない」という点について記事は、中国の製造業や技術を「軽視」する姿勢によるものであり、現在の中国人は不動産産業にこそ価値があると考えているためだと主張。また中国における生産コストも10年前に比べて大きく上昇しているという点も中国製造業が直面している問題の1つだと指摘した。


 製造業に従事し、これを発展させていくことは、不動産の転売でカネを稼ぐよりはるかに多くの労力や時間が要求されるだろう。しかし製造業は経済の根幹であるだけでなく、人びとに新たな文化や生活をもたらす非常に夢のある産業でもある。中国に求められているのはこうした理念の価値に対する認識なのかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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