高級な羊羹と聞いて多くの人が思い浮かべるのは「とらや」の羊羹かもしれない。中国メディア・今日頭条は1日、伝統と現代化、国際化を上手に融合させた「とらや」のスタイルが、中国の商業者にとって学ぶべきお手本になるとする記事を掲載した。


 記事は、500年あまりの歴史を持ち、東京、京都、大阪、福岡をはじめとする日本各地のほか、フランス・パリにも店を構える「とらや」が成功した秘訣を分析している。まず、長い歴史のなかで評価を高め、皇室御用達の店となったことで上流階級の顧客を確保することができた点を挙げた。続いては、季節の要素をふんだんに取り入れ、非常に精緻な菓子作りに取り組むことで、和菓子を日本文化の象徴にまで昇華させた文化的な要素について言及した。

 さらに、豊かな歴史と文化を踏まえたうえで、包装や多元化、国際化といった点で様々な工夫を凝らしていることを挙げた。包装では、黒地に金のトラが描かれた高級感漂う化粧箱や手提げ袋を筆頭に、包装を芸術品に仕立て上げたと説明。多元化では、カフェ形式や高級ホテルとのコラボレーション、画廊を併設した店舗など多彩な店舗形態にチャレンジしているとした。


 また、国際化では早い時期にパリに店舗を設け、現地の特色と融合させたほか、より多くの外国人にブランドを知ってもらうべく海外店舗を増やす計画を持っていると紹介している。また、伝統を守ると同時に時代の流れに沿って改良や革新を続けており、菓子の大きさを調節する、お年寄りや子どもでも開けやすいように包装を改良するといった取り組みが行われていると説明した。

 そして最後に、「とらや」の成功モデルは、中国国内の菓子や軽食業界の創業者が学ぶに値するものであるとしている。

 伝統を作り守っていくためには、頑固になるべき部分があると同時に、時代の流れに対する柔軟な姿勢も求められる。いくらいい物であっても、時代の流れについていけなくなれば廃れていく。かといって時代の流れに安易に飛びついてしまっては、本質の部分を失いかねない。
中国語には「与時倶進」という四字熟語がある。まさに「時とともに進む」という意味だが、常に前に進む姿勢を忘れていはいけないのだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF) 


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