長く続いた一人っ子政策は撤廃されたものの、思うように出生率が伸びていない中国では、人口が減少し、労働力不足に陥るのではないかと懸念されている。出生率低下は日本でも起きていることだが、実は韓国でも深刻な問題となっている。
中国メディアの今日頭条はこのほど、「韓国人は地球から消滅するかもしれない」という主題の記事を掲載し、韓国の出生率低下が止まらないことを紹介している。

 記事は、日本や韓国において「合計特殊出生率」が低下していて、特に韓国では低下幅が非常に大きくなっていると伝えている。実際、韓国での新生児の誕生数は、2014年は43万人で、2016年は42万人、2017年は35万人となっていて、初めて40万人を下回ったと紹介。専門家が「2031年には韓国の人口は減少し始め、2065年には4300万人になり、2165年には1500万人になり、最後には消滅するかもしれない」と警鐘を鳴らしたことを紹介している。

 では、韓国での出生率が低下している原因はどこのあるのだろうか。記事は、「経済的な負担」が大きいと分析している。
韓国で1人の子どもを大学卒業までの22年間育てようと思った場合、3億890万ウォン(約190万元、約3000万円)必要になると指摘し、韓国の平均的な会社員の年収が4100万ウォン(約400万円)ほどであるため、1人の子どもを育てる負担は非常に大きいと伝えた。

 他にも記事は、「社会環境の整備が進んでいない」ことも出生率低下の大きな原因であると紹介。韓国にも育児休暇の制度があるものの、育児休暇を取りにくい環境であったり、出産後に仕事復帰しても約半数の人が1年以内に離職していると伝えた。最後に記事は、「子どもを持つ概念の変化」を挙げている。農業で生計を立てていた人が多かった時代では、子どもは労働力となったり、親が老後の世話を受けるための投資と考えられてきたが、そうした考えは時代と共に変化してきていると伝えた。

 中国でも出生率の低下は社会問題となっているが、韓国と同じように経済的な負担が大きな壁となっているようだ。
現在13億人以上の人口を抱える中国にとって、日本や韓国が抱える人口減少という問題は決して対岸の火事ではない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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