中国の国内総生産(GDP)は米国に次ぐ世界2位であり、それだけの規模の経済力を持っていながら、中国が自らを開発途上国として語ることに違和感を感じる人は少なくない。中国メディアの今日頭条は2日、中国が開発途上国を名乗ることに対し、「日本のネットユーザーから『いつまで途上国ぶっているんだ』という非難の声があがっている」と紹介する記事を掲載した。


 記事は、中国のGDPは世界2位であり、2001年には世界貿易組織(WTO)に加盟したと指摘し、ある程度の経済的地位を認めつつも、「1人当たりのGDPは世界で94位と低い位置にある」と主張した。

 しかし、国際社会から見ると、国連で温室効果ガス排出削減について話し合われる際、「先進国は積極的に削減に取り組む責任がある」とされるなかで、中国が自らを開発途上国として経済的な問題から取り組みを先送りにしていることに首を傾げる意見もあると指摘した。

 たとえば、日本のネット上では「中国はいつまで途上国ぶっているのか」、また、「月の裏側までロケットを飛ばそうとする国を誰が途上国とみなすだろうか」、さらには、「後進国コスプレ終了」などの率直な意見が交わされていることを伝えた。

 「先進国」であることには複数の定義があり、確かに中国はその定義を満たしていない部分も存在する。急激な経済成長を遂げ、全体としては大きな経済力を持つ一方で、「沿岸部の都市と内陸部の農村地域に存在する極端なまでの貧富の差」や、「国民の民度」など先進国との距離を感じる分野があるのも事実だ。「先進国か開発途上国のどちらか」という問いに、中国人も自身もはっきりとした答えが出せないというのが現状のようである。
(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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