中国の湖北省武漢市を発端に始まった新型コロナウイルスによる感染拡大は今だ収束の兆しが見えていない。日本国内でも感染者の数が日に日に増えている。


 中国では湖北省の封鎖に加え、国内外への団体旅行が禁止された。中国人観光客を多く受け入れてきた日本の観光業界に与える影響は非常に大きいことが予想され、実際に影響も出始めているという。中国メディアの百家号はこのほど、日本で中国人観光客が激減していることを伝える記事を掲載し、「5000億円を超える損失になるかもしれない」と伝えた。

 記事はまず、新型コロナウイルスによる肺炎が中国を始め、世界中で猛威を振るっていると伝えつつ、感染の拡大を防ぐため中国はすでに国内外への団体旅行を禁止していると紹介。感染拡大を防ぐには効果的な方法かもしれないが、日本など中国人観光客が多く訪れていた国は大きな影響を受けるだろうと伝えた。

 続けて、2019年に日本を訪れた中国人観光客は959万人に達し、日本での消費額は2018年の統計では1兆5450億円で、どちらも日本を訪れた外国人全体の約3分の1を占めたと紹介しつつ、03年に流行したSARSは収束するまでに3カ月かかったことを引き合いに出し、中国からの団体旅行客がなくなることにその他の要素を加味して単純計算した場合、「日本だけでも5000億円を超える損失になるかもしれない」と論じた。


 結論として記事は、近年は多くの中国人が日本を訪れていて、日中間の航空便は週に1130往復にも達するが、そのぶん新型コロナウイルスに起因する肺炎の影響で旅行者は激減し、日本のインバウンドは大きな打撃を受けることになるだろうと主張した。

 中国では春節の休みが明けたものの、街で見かける人の数は普段と比較して非常に少なくなっているようだ。多くの人は感染を恐れて不要不急の外出を避け、自宅で待機しているという。日本の観光業界に与える影響も大きいものとなるかもしれないが、まずは新型肺炎の早期収束を願いたいところだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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