日本は太平洋と南鳥島のEEZ(排他的経済水域)の海底に大量のレアアース(希土類元素)が埋蔵しているのを確認済みだ。レアアースは多くの先端技術や製品の生産に欠かせないものだが、中国メディアの百家号は14日、日本の近海にレアアースが存在するということは、中国が「もうレアアースで日本をコントロールできない」ことを意味するのかと危惧する記事を掲載した。


 記事はまず、レアアースが人類にとっていかに重要であるかを紹介。人類が発展しつづけるためには資源がどうしても必要だが、石油はその代表的なものだ。そして、レアアースもまた「工業のビタミン」と言われるほど貴重な資源となっているという。レアアースは「軍事面にも宇宙開発にも必要」であるため、極めて重要な資源であることは間違いない。

 しかし、問題はレアアースがその名のとおり希少な存在なことにある。埋蔵場所も偏っていて採掘も難しい。
記事は、1.4億トンを超える世界の埋蔵量のうち、43.5%が中国にあり、熟練した採掘技術を擁する中国はレアアース市場で優位に立っているとした。

 では、近海にレアアースの存在を確認済みの日本は中国依存から脱却できるのだろうか。記事は、当面は困難だと主張。発見された日本海域のレアアースは1600万トンもあるとされ、これは世界需要の数百年分に相当すると言われるほど莫大な量だが、発見箇所が分散していてしかも海底にあり、そのうえ日本はレアアース採掘の経験が乏しいので「中国依存からの脱却は難しい」との見方を示している。

 記事では指摘していないが、2010年に中国が尖閣問題を巡ってレアアースの対日輸出を制限した際、日本はレアアースの調達先の分散化やレアアースの使用量削減のための技術開発を進め、すでに調達先の分散に成功していると言われる。確かにまだ中国からの輸入量は少なくないとはいえ、すでに中国はレアアース産業による発言権は低下傾向にあると言えるだろう。
(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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