中国のポータルサイト・百度に14日、「日本人はどうやって世界中に自動車を売り込んできたのか」と題し、日本の自動車メーカーが世界市場を獲得することに成功した秘訣について考察する記事が掲載された。

 記事は、中国ではどの都市に行っても日本車が多くの割合を占めており、上海では100台中48台が日本車だったという観察記録もあると紹介。
中国のみならず欧米諸国でも日本車が高いシェアを獲得しているとした上で、欧米やアジアの市場に対し、日本企業がどのように売り込みを仕掛けていったのかについて考察している。

 まず、米国については、米国人が自動車に対し早い段階から実用性と経済性を求めていたことに着目し、1960年代より廉価で確かな品質のモデルを投入して消費者から好評を博したことで、米国内で日本車を定着させる礎を作ったと紹介した。

 そして、70年代になると欧州市場への進出を図るも、当時のEC(ヨーロッパ共同体)は日本車に対する輸入割当制度を導入するなど慎重な姿勢を示したと説明。これに対し日本企業は輸出戦略から現地生産へとシフトチェンジすることで各種の障壁をかわし、北米市場ほどではないものの、現地の協力なライバルとの競争の中で一定の市場シェアを獲得することに成功したとしている。

 90年代より本格的に進出を始めたアジア市場では、低廉な人的コストを活用すべく、完成品の組み立て工場、部品工場を続々と現地に設置して雇用の創出にも貢献、急速にシェアを伸ばしていったと伝えた。

 さらに、中国市場についてトヨタの事例を紹介。
欧米メーカーよりも遅い中国進出となったトヨタは、様々な広告を打ってその性能や優れた技術を積極的にアピールして認知度を高めていったとした。そして、21世紀に入ってからは省エネ、環境保護を全面的に打ち出すことでさらなるイメージアップを図り、長期にわたりカローラを中国小型車市場のトップに君臨させ続けていると伝えた。

 記事は、世界で日本車が成功した秘訣について、先進国、途上国を問わず現地で技術提携を結んできたことを挙げ、特に大きな潜在力を秘めていたタイ、マレーシア、フィリピン、インド、中国といったアジア市場の開拓に力を入れたことで、日本の自動車産業はよりパワーアップしたと評している。

 また、中国の自動車企業の戦略が終始「いかにたくさんの車を売るか」に止まっているのに対し、日本企業が戦略を立てる際にはまず細やかなマーケティング調査を実施し、その上で一度決めた戦略に対して地に足をつけて邁進すると指摘したほか、アフターサービス市場にも力を注いできた点も日本企業の強みになっていると紹介。「中国メーカーがさらなる発展を目指すには、日本人の経験を真摯に学ぶべきである」と結んだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)


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