マヨネーズボトルの素材はポリエチレン(PE)だが、飲料PETボトルのような水平リサイクル(BtoB)の仕組みは確立されていない。マテリアルリサイクルによる水平リサイクルを実現するには、マヨネーズボトルと同じ素材のプラスチックを回収し、きれいに洗浄した上でリサイクルすることが必要で、そのための回収実証実験から始める。
実験では多くのデータを収集し、技術的な知見を集め、水平リサイクルを社会実装するために必要な技術を確立する。現在、使用済みのマヨネーズボトルは、可燃ごみやプラスチックごみと区分されている。これらが「ごみではなく、資源である」と社会の意識を変えることを目指し、両社は家庭での使用済みマヨネーズボトルの回収が促進されるよう、CLOMAの参画企業であるリサイクル会社や素材メーカー、流通、自治体と協力して仕組みを確立する。
ボトルは水で洗浄し、ハサミで半分に切る7月1日からイトーヨーカドー溝ノ口店(川崎市高津区久本3-6-20)での実証実験は①フタとシールをはがす②水を1/3入れて振って洗う③ハサミで半分に切り、スポンジで洗う④乾燥させ、マヨネーズボトルのみ回収ボックスに入れる。
このほど開催した記者発表会の中で、味の素の小野郁サステナビリティ推進部長は「今回の取り組みは、両社で国内マヨネーズ市場の75%のシェアを持つ数少ない市場であることと、マヨネーズが比較的色やニオイがつきにくいことなどから実現した」とし、「まずキユーピーと開始するが、CLOMAの活動として行うため、将来的にはできる限り大きな取り組みにしたい」と語った。
また、他の業界への呼びかけについてキユーピーの浜北剛サステナビリティ推進部長は「ケチャップや焼肉のタレなども一緒に回収し、再生化しようとすると再生に問題もある。マヨネーズのようにあまり色がなく、ニオイがつかないもので、まずは再生化できるものから検証し、その方向性が見えたらケチャップや香辛料のメーカーにもお声がけすることになるだろう」と述べた。