
秋季に向けては「お水がいらない」シリーズで市場にありそうでなかった「あんかけうどん」(8月20日発売)を投入する。白潟昌彦社長は「ひと手間かけたおいしさを手軽に味わえることが伝われば」と期待を寄せる。
前3月期の全社売上高は158億円、4.3%増。うち食品事業は156億円、4.5%増。業態別にみると、コンビニ(構成比28%)は一部大手で商品カットがあり減収となったものの、主力の量販(同44%)は6.8%増と堅調、COOP(同24%)も8.9%増と高い伸びを示した。
今期は全社で171億円、8.1%増を計画。うち食品事業で169億円、8.2%増。今春に稼働した亀山工場で「お水がいらない」シリーズの「ラーメン横綱」「横浜家系ラーメン」など人気商品を増産しており、主力の量販業態は21.9%増、83億円と高い目標を掲げた。同工場はまず8時間稼働を軌道に乗せ、25年度には12時間稼働に移行する予定。
「お水がいらない 天下一品」(キンレイ)直近のトピックスは「お水がいらない 天下一品」のヒットだ。発売直後は既存の定番品比2~3倍の売れ行きをみせ、約2か月で114万食を出荷した。
森江康行常務営業本部長は「シーズン途中の発売だったが導入店では大きく展開していただけた。秋冬に向けて再度提案を強化し、主力品レベルの販売を目指したい」と展望する。
秋季の新商品「お水がいらない あんかけうどん」は、「だしを食べる」をテーマに開発。とろみのある黄金だしは上品な味わいで、国産生姜の香りをきかせた。もちもち食感の自家製麺とよく絡む。花形の五目しんじょ、玉子焼き、九条ねぎなど彩り豊かな5種の具材もポイント。

一方、同社は今年創業50周年を迎える。社内プロジェクトを立ち上げ、キンレイのこれまでを振り返り、これからの50年を考える機会としたい考え。
白潟社長は「冷凍麺市場が拡大する中で、当社は具付きうどん・具付きラーメンを主力に業界平均を上回る成長でシェアを高めてきた」と回顧し、「今後も5つの重点施策(①「組織力」の強化②「人間力」を高める③「仕組み」の強化④「挑戦することを恐れないこと」⑤『環境経営の視点』を強化)をさらに推し進めていく」と語った。