新選抜の藤本冬香(左)と新センター熊崎晴香(右)
10月2日にSKE48の33rdシングル『告白心拍数』がリリースされる。出会った瞬間、一気に心拍数が上がるような運命的な愛を歌った告白ソングだ。
この曲に9期生の入内嶋涼(いりうちじま・さやか)と藤本冬香(ふじもと・ふゆか)が初選抜入りしたことも話題だ。今回、初センターの熊崎晴香と初選抜入りをした藤本冬香の2名に新曲について話を聞いてみた。
――ついにセンターの座を掴みましたね、熊崎さん!
熊崎 ありがとうございます! 苦節12年、諦めずにずっと目指してきたセンターになることができました!
――いや~、うれしいですねー。
熊崎 実は誰にも話していなかったんですけど、今回のシングルでセンターに立てたなかったら、けじめをつけようと考えたこともあって。でも諦められなかったんです。そしたらセンターになることができて、どこかで私のことを見ていたのかな? って思っちゃいました(笑)。
――熊崎さんががんばっている姿を周りは見ていたんですよ。
熊崎 いつでも応援してくださるファンの皆さんにようやく恩返しができるなって思うと、すごく幸せな気持ちです。
――2017年に行われた『AKB48 49thシングル 選抜総選挙』で63位に入り、フューチャーガールズに選出されましたよね。
熊崎 あ! ホントだ! 今27歳ですけど、もうちょっと早くてもよかったような......(笑)。
――熊崎さんはもともとアイドルという職業を知らない状態でSKE48に入ってきたと聞きました。
熊崎 はい(苦笑)。中学3年生のころから芸能界に入りたいなって思ってはいたんです。ある日、友達に誘われてSKE48劇場へ初めて行って、そこでSKE48のオーディション用紙を配っていて。もらって帰ったら、母も私が芸能界に入りたいことを知っていたので「受けてみたら?」って言われて。それで応募したら合格しちゃいました。
――すごい! お母さんに感謝ですね。
熊崎 そこからアイドルという職業を少しずつ勉強していきました。ダンスも未経験で、センターって何!? 状態でしたから。
――アイドルをまったく知らなかったのに、どうしてセンターに立ちたいと思うようになったんですか?
熊崎 母が公演を見にきてくれて、「がんばっているのはわかったけど、他のメンバーに埋もれて、どこにいるのかわからなかった」と言われたことがショックで。
ダンスの先生に相談したら、「最初は(松井)珠理奈さんや(須田)亜香里さんのマネをしなさい」って言われたんです。マネをし始めたら、少しずつ踊れるようになっていって、「上達したら熊崎晴香のダンスを新しく作ればいいじゃん」って考えるようになって。
――ポジティブ!
熊崎 そこから2列目に出られるようになって、母が「以前よりもすごく見えるようになった!」ってめちゃくちゃ喜んでくれたんです。
――熊崎さんは本当に努力の人ですね。まさか松井さんや須田さんのパフォーマンスのマネからスタートしていたとは。
熊崎 同じ曲を踊っている珠理奈さんや亜香里さんの動画を見まくって、踊りはもちろん表情もマネしました。そしたらファンの人たちも少しずつ私のことを気づいてくれるようになって。もっと上手くなれば、もっとたくさんのファンの方に気づいてもらえるかも!? って思ったら、一番前に立って踊ってみたいって気持ちが出てきたんです。
――続いて藤本さん。初選抜メンバー、おめでとうございます!
藤本 ありがとうございます! 本当にうれしかったです。
――自宅にいたということはすぐにご両親に報告されたんですか!?
藤本 選抜入りしたことは話さなかったです。ウチの家族は口が軽いので、発表前に話したら誰かに言っちゃいそうな気がして。SKE48に合格したときも、まだ公表されていなかったのに、近所の方から「おめでとう」って言われて、「えっ!? なんで知っているの?」って思ったら、両親が話していて(苦笑)。
熊崎 どこでバレちゃうかわかんないからね。私がセンターって言われたのは事務所だったんですけど、家に帰って、家族全員が揃ってから報告しました。
藤本 すぐには言わなかったんですね。
熊崎 直接、自分から伝えたかったから。「みんな、センターに立つよ!」って伝えたら、もう家族全員立ち上がって、わっしょい、わっしょいってお祭り状態(笑)。父も母も「鳥肌立ったよ、ヤバい!」って。活動していて苦しいときもあったけど、元気にいられたのは家族の支えがあったから。その家族にようやく自分の夢だったセンターに立てたよって話ができたことは本当にうれしかったなぁ。
――選抜メンバーになって、何か変わったことはありますか?
藤本 いちばん変わったことは、お仕事が増えました! 今はスケジュールを聞くとほとんどお仕事が入っていて。
――よく心が折れずにがんばりました。
藤本 本当に辛いときは今年卒業された北野瑠華さんに話を聞いてもらっていました。実は前作で選抜に入れなかったらSKE48をやめようって思っていたんですけど、北野さんから「まだ続けたほうがいい。チャンスが来るから」って言われたので続けることにしたんです。そしたら今回、選抜に入ることができて、北野さんの助言通り辞めなくて本当によかったって思いました。26歳で初選抜という、SKE48では最年長記録ですが、これからも諦めずにがんばっていこうって思います。
――せっかくなので、お互いの印象を教えてください。
熊崎 最近、野球好きつながりで一緒に仕事する機会が多いんです。チームは違うけど、入ったころより成長を感じられて、影で努力したんだろうなって。後輩だけど、尊敬しているメンバーですね。
藤本 熊崎さんはみんなをグイグイ引っ張ってくれて、頼もしいし、とにかくカッコいい。これからもSKE48の顔としてグループを引っ張って欲しいです。
――今後の2人の目標を教えてください。
熊崎 センターに立つことができましたが、これがゴールではなく、これからもセンターに立ちたいです。個人でやらせていただいている競馬や中日ドラゴンズさんのお仕事でも自分を認めてもらって、SKE48に還元していきたいです。個人の名前を広げるためにも地元の番組にもっと出られるようになりたい。メンバーの名前を少しでも覚えてもらえるようにがんばりたいです。
――熊崎さんは競馬番組やスポーツ紙に出て、知名度はありそうですけど。
熊崎 先日、地方でライブをしたときに「ちょっと待って」って男性に声をかけられたんです。「なんですか?」って話したら「姉ちゃん、このコやろ!? 似ているけど本人!?」って、東京スポーツさんの競馬予想の記事を読んでいてくださっていた方で。「今日はSKE48というアイドルグループでライブに来たんです」って話したら「アイドルなんだ!」って驚かれて。本格的な予想家さんと比べたらひよっこですけど、もっと的中させて知名度をアップさせたいし、競馬の良さも広げられるようにがんばりたいです!
――藤本さんの目標は?
藤本 広島県出身で、大の広島東洋カープファンとして「MAZDA Zoom-Zoomスタジアム広島」(マツダ スタジアム)で始球式をやりたいのと、カープがやっている「それ行けカープ著名カープファンリレー映像」に出たいです。
――では最後にメッセージをお願いします。
熊崎 センターとして「SKE48はまだまだ熱い!」って気合いを入れて盛り上げていくので、皆さんのお力をお借りしたいと思います!
藤本 応援してくださるファンの方のおかげで選抜メンバーに入ることができました。ひとつひとつの活動を胸に刻みつつ、次に繋げていけるようにがんばります!
●熊崎晴香(くまざき・はるか)
1997年8月10日生まれ、愛知県出身。
血液型=O型 nickname=くまちゃん
SKE48 Team E所属
2012年、SKE48第6期生として加入。2014年7月リリース15thシングル「不器用太陽」で初選抜メンバーに選出。2022年、2023年と2年連続ソロライブを開催。現在、アイドル活動だけでなく、競馬、スポーツなど様々な分野で活躍中
公式X【@kumachan9810】
公式Instagram【@ kumakuma9810】
●藤本冬香(ふじもと・ふゆか)
1998年4月3日生まれ、広島県出身。
血液型=A型 nickname=ふゆっぴ
SKE48 Team KⅡ所属
2018年、SKE48第9期生として加入。2022年12月11日上演Team KⅡ 8th Stage「時間がない」公演初日メンバーに選出。2023年11月、「HITひろしま観光大使」に就任。プロ野球広島東洋カープの熱烈なファンとしても有名。
公式X【@ fuyuka0403】
公式Instagram【@ fuyuka_43】
取材・文/林 将勝 撮影/武田敏将