『キン肉マン』大好き作家・燃え殻さんと爪切男さんが4月の連載を激論!
『ボクたちはみんな大人になれなかった』の燃え殻、『死にたい夜にかぎって』の爪切男の意外な共通点、それは『キン肉マン』!!
希代のストーリーテラーのふたりが4月分の『キン肉マン』連載を甘く、そして辛く批評。
***
―今回の「先月の肉トーク」テーマ―
第527話 ボロボロの野試合!!の巻 (4月6日更新分)
第528話 砂嵐の向こう側!!の巻 (4月13日更新分)
第529話 ファイナルスタンディングデュエルマッチ!!の巻 (4月20日更新分)
第530話 超人師弟コンビの未来!!の巻(4月27日更新分)
あらすじ
世界各地で同時開催された五大刻との一大決戦。
燃え殻(以下、燃) 嶋田先生、左膝の手術をされたんだよね。
爪切男(以下、爪) 8月に柔術の大会「キン肉マン杯2026」があるじゃないですか。それで、ご自身も出るつもりで気合いが入っていたり、取材旅行があって疲労がたまってしまったり、という話です。
燃 心配だよねえ。先生がXにアップされた写真を見ると、大変な手術だったみたいだし。
爪 5月2日の「キン肉マンミュージアムin沼津」でのトークショーも、それで出られなくなったみたいで。
燃 そう、館長のミノワマンD・ZさんとGakkenの芳賀(靖彦、『キン肉マン「超人」(学研の図鑑)』などの担当者)さんがふたりでしゃべるっていう。写真がアップされてたけど、お客さん、満員だったし。あれは大変だったろうね。
爪 先生のご回復を祈ります。
燃 うん。あの、昔、悪魔超人とかで、いつの間にか、最初に出てきた時と見た目が変わっている、っていうの、あったじゃない?
爪 ああ、はいはい。しばらく描いていない間に、先生のデザイン変更もあったように見えますね。
燃 昔でいえば、7人の悪魔超人が最初に登場した時、星条旗のマスクの超人(ミスターアメリカ)がいたけど、そのあと二度と描かれなかったとか。
爪 (笑)あったあった。
燃 で、ペシミマンって、いかにもその最初に出てきたけど、途中から描かれなくなった超人みたいな形態なのに、すげえ闘うなと思って。こんな重要なキャラだったんだね。
『キン肉マン』ファンなら何度も見ているだろうこのカット。ジャンプ連載の過酷さが生んだキャラクターすげ替え事件の現場である。バッファローマンの後ろにいるのがミスターアメリカ。
爪 人気も出てきましたよね、SNSとか見てると。今、人気投票をやったら、けっこう上の順位に入るんじゃないかな。
燃 主張があるキャラなのがいいのかな。
爪 そう、俺たちが感じてる、「ロビンマスクへの違和感」みたいなものを、ストレートに追及してくれている。
燃 ああ、ちょっとお高くとまってる的なところ?
正義超人の雄であるロビンマスクもこのあたりから変化が見られた(JC77巻)
爪 現実のプロレス世界でのデスペさん(新日本プロレス、エル・デスペラード選手)が人気が出てきた頃と、ちょっと似てるような気がする。
燃 ああ、そうかもね。
爪 デスペさん、最初は鈴木軍のひとりで突き抜けた感じはなかったけど、バックステージでのコメントがすごいファンに刺さって、だんだん注目されるようになった。それで、みんなデスペさんの試合を観るようになって、そしたら試合内容がよくてファンになる、という。それと近いものを感じます。
僕ら、前からよく言ってたじゃないですか。敵キャラでハネる超人がひとりほしい、って。それがようやく出てきた感じだなあ。
前シリーズで、敵ながら語りべとして機能してくれて、キャラクターとしても人気だったのはサイコマンでしょうか。2024年の超人総選挙も18位と健闘(JC56巻)
燃 そうだね。あと、機械っぽい、ロボットっぽいところとか。そのほうが生身の超人よりも実態があるように見えるっていうか。
爪 思春期的な感じもありますよね。ロビンマスクに言っていることが、師匠とか親に向かって怒ってるみたいな。そこもいい。
燃 だから、今、ウォーズマンとペシミマンの試合を、もう一回観たら、おもしろいんじゃないかな。
爪 ああ、それはそうかも。もう一回読み直してみよう。
燃 そして、第527話の最後で、ペシミマンが超回復を使ったよね。あの、誰もが忘れていた、爪さんしか覚えていなかった超回復を。
爪 (笑)。だから、使いたくなければ使わないっていうことですよね、時間超人も。それで、ここで委員長がナイスな介入をした。
燃 そうそう。「野試合をするな!」と闘いを止め、ペシミマンが満身創痍であることを指摘し、超回復を使わせる。
爪 それで、次の第528話で、ふたりの申し出を受けて、もっとも過酷なルールの"ファイナルスタンディングデュエルマッチ"で試合をすることを決めた。超回復、こんなにすごいんだったら、性格が最悪だったサラマンダーにも、使ってほしかったなあ。
燃 (笑)ああ、ほんとだね。
爪 ことあるごとにちょこちょこ使うとかね。でも、ペシミマンとロビンマスク、あれだけ罵(ののし)り合っていたのに、委員長の采配の下で試合再開の時、ちゃんとコブシを合わせて始めているのもいいですよね。
燃 そうだね。こういうところでも、ペシミマンの株が上がるよね。
あと、ペシミマンって、立ち姿がイチイチかっこいい。超回復が完了して「もういいだろう、終わったぜ」って言う時のポーズとか。第529話の2ページ目で、すごい態勢からファイヤーバードガンスリンガーを撃つ時とか。中井先生も、描いていて楽しいんじゃないかな。
燃 ペシミマン、プロレスの試合なのに、ガンスリンガーで両腕を飛ばしまくるのもいいんだよね。そういうロボット漫画みたいな要素も入りながら、ロビンマスクとレスリングもやる、という不思議な試合。『キン肉マン』の世界の中でしかありえない。
爪 ペシミマンに負けて、闘いのそばで倒れたままのウォーズマンも気になりますよね。死んでいるわけじゃないから。
燃 そうなんだよ。この展開からいくと、闘いの後に、ロビンマスクとウォーズマンが語らわなきゃいけないわけじゃない? 今の状況だと、ロビンマスクの「ウォーズマン、すまなかった」という一言が入りそうだから、となると、ロビンマスクが負けるのかな、と。その上で、ロビンとウォーズマンが語り合いながら、肩を抱き合って去る、とかね。
爪 うん。でも、ペシミマンとウォーズマンが闘った時は、友達になれそうでなれなかった、と言っていたけど、その後、ここまで読んだ感じだと、もう完全に友達ですよね。ペシミマンが、すっごいウォーズマンに感情移入しているから。
燃 橋本真也と小川直也みたいだよね。今後、超人タッグがあったら、このふたりに組んでほしい。ロボ超人タッグ。
爪 ああ、いいですね。
燃 ペシミマンが負けて、ウォーズマンとロビンが肩を組んで去る、という結末も考えられるけど。
爪 ペシミマンが死んでいくのをふたりで看取るとかね。
燃 でもまあ、最終的にこの試合は、ロビンマスクが勝つんだろうな。
爪 ですね。で、本人が言っているように、次にウォーズマンと闘ったら、もうあとはキン肉マン戦しかないですね。
キン肉マンVSロビンマスクは読切掲載された「キン肉マンの結婚式!!の巻」のみ(JC37巻)
燃 うん。ペシミマンが勝ったらおもしろいんだけどなあ。
爪 そうなんだけど、そういうことはしないのが、『キン肉マン』の漫画としての強さだという気もしますしね。みんなの期待どおり、ちゃんとロビンマスクが勝って、納得の物語を作るのが。
燃 この間のテリーマンの試合も、ちゃんと勝ったもんね。
爪 ......勝敗って難しいなあ。だからといって、ファンの期待を覆(くつがえ)すどんでん返しみたいな試合ばかりやってたら、それにも慣れてグダグダになっちゃうし。
やっぱりメジャーの団体みたいに、試合結果は予想どおりだけど、内容に満足感があるから気持ちよく帰れる、というのが『キン肉マン』のよさだと思うし。
【天山広吉、引退】燃 あ、そうだ、話がそれるけど、新日本プロレスの天山広吉が、引退を発表したよね(5月11日に記者会見を行い、8月15日の両国国技館大会で引退することを発表した)。
爪 ああ、そうだ。『キン肉マン』とのコラボTシャツはネプチューン・キングだった天山が。俺らの中では、エポックメイキングでしたよね。海外遠征に行って、帰ってきたらとんでもなく強くかっこよくなっていた、という大成功例は、俺の世代では天山だった。山本広吉から天山広吉に名前が変わっていて、頭にツノが生えていて。
燃 そうそう。で、流行ったよね。ブラックビスケッツの「天山(あまざん)」(※キャイ~ンの天野ひろゆきが扮した)っていうキャラにもなったぐらいだし。
爪 漫画っぽいキャラだから、マネしやすかったんでしょうね。引退が発表になった時、デスペさんがXで「天山さんは何か揉め事があると、必ず間に入ってくれる、いい人だった」って。
燃 ああ、書いてたね。
爪 あのデスペさんがそういうことを書く、ということは、本当に引退なんだな、と思いましたね。本来そういう裏話的なことは書かなくていいのに、そうしたということは、引退なんだなと。
燃 そうだねえ。引退試合の相手は小島聡かな?
爪 それか、最後にテンコジ(天山と小島のコンビ名)で、タッグマッチで終わるか。とにかく天山さん、長い間お疲れ様でした、ありがとうございました!
●燃え殻(MOEGARA)
1973年生まれ、神奈川県出身。働きながら始めたツイッターでの発言に注目が集まり、作家デビュー。『ボクたちはみんな大人になれなかった』(新潮社)、『すべて忘れてしまうから』(扶桑社)、『明けないで夜』(マガジンハウス)など多数の著作がある。最新著は『これはいつかのあなたとわたし』(新潮社)、『ブルーハワイ』(新潮文庫)。ラジオ番組 『BEFORE DAWN』(J-WAVE、毎週火曜26:30~27:00)もチェック
●爪切男(TSUMEKIRIO)
1979年生まれ、香川県出身。2018年『死にたい夜にかぎって』(扶桑社)で小説家デビュー。2020年、同作が賀来賢人主演でドラマ化。『きょうも延長ナリ』(扶桑社)美容と健康にまつわるエッセイ『午前三時の化粧水』も発売中。ドライバーWebで『横顔を眺めながら ~爪切男の助手席ドライブ漂流~』を連載中。主演:木村昴でのドラマ放送でも話題となった『クラスメイトの女子、全員好きでした』が文庫化。最新刊は、『愛がぼろぼろ』(中央公論社)
取材・文/兵庫慎司 ©ゆでたまご/集英社

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