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サッカー専門誌デスクA氏(以下、A):昨年のJ1は広島の優勝、ガンバ大阪がまさかのJ2降格と初めて尽くしの激動のシーズンだったけど、その割にはオフの移籍市場の動きが地味だと思わない?
スポーツ紙記者B氏(以下、B):遠藤保仁、今野泰幸のふたりは絶対、ガンバ大阪を出ると見てたんだけどなあ。J2ではプレーレベルの維持が難しいし、あの過密スケジュールと日本代表活動をかけもちしてたら、特にベテランの遠藤は故障でもしないかと心配だよ。
代理人C氏(以下、C):本人たちにチームを出る気がなかったらしいですよ。主力として、降格の責任を感じてるみたいですから。
A:それに遠藤は1億3000万円、今野は1億円という高額年俸で、しかも、複数年契約の途中。彼らに移籍の意思があったとしても、違約金を含め莫大な資金がかかる。そこまで払えるクラブは今のJリーグにないよ。
B:同じ降格組でも、神戸はそれなりにネームバリューのある選手がごっそり抜けた。
A:ただ、あれは移籍というより、むしろ“厄介払い”的な色合いが強い。大久保嘉人、伊野波(いのは)雅彦、野沢拓也の3人とも年俸が高く、もうベテランの域。それでいてチームを引っ張るリーダータイプではない。予算をカットしつつ、何がなんでも1年でJ1復帰したいクラブ側にとっては、出ていってもらったほうが好都合だった。