地元・仙台を中心に東北では大盛り上がりだが、正直なところ、田中将大や嶋基宏、松井稼頭央、アンドリュー・ジョーンズらは知っているが、そのほかのスタメン選手の名前が今イチおぼつかない……という野球ファンも多いのではないか。
だが、現在の楽天の好調のキーマンになっているのが、全国的な知名度は低いが、1番・岡島豪郎、2番・藤田一也、3番・銀次、6番・枡田慎太郎らの“星野チルドレン”なのだ。
昨季まで投手として楽天に在籍していた、解説者の山村宏樹氏は言う。
「特に銀次と枡田は、昨年から星野監督が我慢して使い続けてきた。ふたりとも守備に難があり、普通なら常時出場は厳しいレベルの選手でしたが、それでも守りに目をつぶって起用し続けたことで大きく成長したんです。ジョーンズ、マギーという主軸の前後にこのふたりが収まり、得点力がアップしました」
8年目、25歳の銀次は捕手としてプロ入りしたが、三塁、外野などを転々。野村克也監督時代には「守りがザルでは使いようがない」と酷評されるなど、2010年にようやく一軍デビューした苦労人だ。
枡田も同じ8年目の同級生で、二軍で毎年のように打率3割を打ってアピールしてきたが、「試合数と同じくらいエラーしていた印象」(地元テレビ局関係者)という守備がネックとなり、やはりなかなか一軍での出場機会に恵まれなかった。
「昨季、一時的にこのふたりが二遊間を組んだときは、試合中、マウンド上の田中に『(枡田)慎太郎さん、落ち着いて、落ち着いて』とたしなめられていました(笑)」(前出・テレビ局関係者)