専門家が「ギャンブル」と呼ぶ、福島第一原発4号機の核燃料取り出し作業

そうしてプール内でキャスクに22本の燃料を詰め終えると、今度はやはり建屋カバーに設置された巨大クレーンでつり上げ、平行移動しながら容器仕立てピットへと持ち込まれる。


容器仕立てピットではキャスクのふた閉め作業が行なわれる。完全防護服姿の作業員が鉄製のボルトでふたを締めつけ、キャスクを完全に密閉するのだ。その後、キャスクを再び大型クレーンで地上に下ろし、待機する大型トラックによって近くの共用プールに移送させれば、作業は無事完了となる。

プール内の燃料は1533本。キャスクに収納できるのは22本なので、東電はこの作業を70回繰り返すことになる。

ガンダーセン氏は、最悪の場合、日本が分断されかねないと警告していたが、はたして誇張ではないのか。福島第一原発4号機の原子炉圧力容器設計者で、国会の原発事故調査委員会のメンバーも務めた田中三彦氏は、こう語る。

「4号機プールには通常の原発の2基分以上に相当する1533本もの燃料が入っています。そこに含まれる放射能の量はセシウム137換算で少なくとも広島型原爆の数千発分にもなる。それが希ガス(放射性プルーム)となって漏れ出たら、東日本の広い地域が汚染される。希ガスは東京にも流れてくるでしょうから、そうなったら避難の人々で大混乱になり、首都機能も麻痺しかねません。

ガンダーセン氏が4号機プールの燃料取り出し作業に失敗すれば、日本が東西に分断されるような危機になると警告したとのことですが、最悪のケースを考えるなら、それほど間違ったことを言っているとは思いません」

福島第一原発の復旧作業は、これからが本番を迎える。

(取材/姜 誠)

■週刊プレイボーイ47号「福島第一原発4号機、核燃料取り出し作業の激ヤバな裏側!!」より

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