ガンプラはアニメ『機動戦士ガンダム』開始の翌年、1980年に誕生してから、常に進化を続けてきた。

ガンプラブームの黎明期からモデラーとして活躍した、バンダイホビー事業部の“川口名人”こと川口克己氏に、その進化や楽しみ方について語ってもらった!

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1980年に発売されて以来、ガンプラはふたつの方向で進化し続けてきました。


ひとつはお客さまの要望による進化。劇中のカッコいい姿を再現したいという声に応えるため、デザインに忠実かつ可動域を増やすことですね。アニメでは機体が柔らかくないと不可能な動きもしていたりするので(笑)、それをいかに再現するかという苦労も。

もうひとつは技術による進化。接着剤なしでも簡単に組み立てられ、最初から色分け済みの色プラを開発。これは誰もが満足できる完成品に仕上がるよう、HGシリーズから採用したものです。
最近、ガンプラ作りから遠ざかっているという方であれば、現在の作りやすさや完成品の出来には驚くはずですよ。

これから初挑戦という方なら、パーツをきれいに切り出すニッパーとヤスリ、シールを貼る際に指の皮脂がつかないようにするピンセットがあればとりあえずオッケー。

単純に組み上げるだけではなく、もう少しこだわりたい方は“スミ入れ”や“ツヤ消し”を試してみては? パーツの溝などの色を濃くして陰影をつけることで立体的に見せる“スミ入れ”は、実は普通のシャーペンでも意外と本格的に見えるもの。そこにツヤ消しスプレーを少しずつ吹けば重厚感もアップ!

よりリアルさを追求するなら想像力もポイント。ガンダムならサイド7でザクに攻撃された直後やオデッサ直前など、シーンごとにどんな損傷を受けたかを想像してウェザリング(汚れなどを加える技法)するといいでしょう。

●川口克己(かわぐち・かつみ)


1985年、株式会社バンダイに入社。
ガンプラブームの黎明期からモデラーとして活躍。“川口名人”の愛称で親しまれている。

(取材・文/昌谷大介、牛嶋 健、千葉雄樹[A4studio] 撮影/下城英悟)


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■週刊プレイボーイ41号「16ページ特集 機動戦士ガンダム 怒涛の35年史」より(本誌では、最新かつヨダレもののガンプラ厳選キットを紹介! ヒストリーからトリビア、関係者インタビューも!)

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