リアル“それでもボクはやってない!”痴漢冤罪、30歳中学教師2年半の戦い【後編】

弁護士が検察と粘り強く交渉し、車載カメラの映像を開示させて分析した。運転席の横に据えつけられていたカメラは、バスの後部にいた津山さんの動作のすべてを記録しているわけではないが、問題の時間帯には左手でつり革を持ちながら、右手で携帯電話を操作していたことがわかった。結局、痴漢の証拠は女子高生の証言以外にはまったくなかった。

ところが……。

13年5月に下った一審の東京地裁立川支部(倉澤千巖[くらさわ・ちいわ]裁判官)の判決は、罰金40万円の有罪だった。つり革をつかんでいた津山さんの手がバスの揺れでカメラの死角に入った瞬間、女子高生に触った可能性がある、というのだ。揺れるバスの車内で、右手でメールを打ちながら、左手で痴漢行為をすることは「容易ではないけれども、不可能とか著しく困難とまでは言えない」と判決は認定した。

津山さんは、裁判官の“くじ運”が悪かったと思い、さほど落ち込まなかった。ただ、両親や恋人の母親の落胆ぶりは激しかった。

「生徒たちの大事なときに助けてあげられなかった僕には、最後まで戦う姿を見せることしかできることはないと思っていました。でも、親の姿を見て、やっぱり勝たなきゃいけないと……」

この年、控訴審の最中に結婚した。入籍日は逮捕されたのと同じ12月22日。

「今後、裁判がどういう結論になっても、この日は一年で最もいやな日になってしまう。彼女に『この日を、君と一緒に生きていくと決めた日にしたい。これから毎年、君に感謝できる日になれば、最悪の日が最良の日になる』と頼んだら、『仕方ないわね』と受け入れてくれた」
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