抜群の関節技テクニックで新日マットを沸かせた“いぶし銀”木戸修のゴルフの腕前は? プロゴルファーの長女・木戸愛(めぐみ)への思いも語る!

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ゴルフを始めたのは1980年かな。新日本の経営が上向いてきて、上の人はみんな始めた。
坂口(征二)さん、倍賞(鉄夫)さん、猪木さんはたまに……という感じ。ティーショットは新弟子のほうが飛ばしたりするよ。闘魂三銃士の中でゴルフをしてたのは橋本(真也)と武藤(敬司)かな。橋本は当たれば飛ぶけど、めちゃくちゃな所に打つからスコアにならない(笑)。

僕はある人にクラブのセットをいただいてゴルフを始めました。まず近所の練習場で練習してからコースに出た。
やっぱり運動神経はいいからさ、新日本では一番うまかったと思うよ。最初からそこそこスコアは出たね。

1ラウンド85~90くらいまでは運動神経でいける。でも、そこから先がなかなか……。ゴルフとプロレスじゃ使う筋肉が使うからね。ゴルフは目に見えない細かい筋肉を使うし、体幹も鍛えなくちゃいけない。
目的は楽しくやることだから、スコアにはこだわらなかったけど。

僕のゴルフは自分のプロレスのスタイルと似てるかも。スマートにやりたいよね。距離は出なくても確実にフェアウエーをキープして、なるべくOBは出さないように。ゴルフの魅力は……コースが綺麗でしょ。社員旅行でハワイに行ったときのコースは特に綺麗だったねぇ。
昔はカートに乗らないで歩いて移動したから、18ホールを回る運動量もちょうどいい。終わった後の食事もおいしいし、健康に一番いいスポーツだよね。

 

娘たちにも子供の頃からゴルフをやらせてたよ。遠方のゴルフ場に行くときは、車のシートをフラットにして娘たちはグ~グ~寝ながら練習に向かう。子供にしてみれば遠足感覚で楽しかったんだろうね。

今、手に持ってるクラブは長女の愛からのプレゼント。
一式もらったよ。神奈川県にいる頃から、もう愛はジュニアのトーナメントを3連覇していてね。高校をどうしようかというときに、僕は名門の東北高校を薦(すす)めました。プロは誰でもなれるもんじゃないから、やっぱり名門校で鍛えたほうがいいと。あそこは宮里藍さん、有村智恵さん、原江里菜さんといった錚々(そうそう)たるプロを輩出してる。

長女は高校を出て一発でプロテストに合格したから最年少。
次女の侑来(ゆきな)もこの前プロテストを受けた。たった一打差でダメだったけど、素質はいいよ(2013年の取材時。2014年のプロテストも惜しくも不合格となるも引き続き挑戦中)。

娘たちから心構えを聞かれたりしたら、今でも僕なりにアドバイスはします。でも、あとは本人の気持ち次第。プロはなんでも本人次第だよね。
やるべきことをやって頑張るしかない。ふたりとも負けず嫌いだしね。小さい頃には、ちょっとスクワットとかやらせたことがあった。軽く50回くらいだけど、一生懸命やってましたよ。

2012年に愛が初優勝したとき(サマンサタバサ ガールズコレクション・レディーストーナメント)、横須賀市長にご挨拶に行ったんですよ。市長はまだ若いんだけど熱心なプロレスファンらしくてね。お会いしたときはカール・ゴッチさんのTシャツを着てましたよ。僕もサインを書いて。この前、丁寧な御礼状をいただきました。


■木戸修(きど・おさむ)


1950年生まれ、神奈川県川崎市出身。日本プロレスに入門し、新日本には旗揚げから参加。カール・ゴッチ仕込みの関節技テクニックを武器に“いぶし銀”の異名で活躍した

(取材・文/長谷川博一 撮影/平工幸雄)

■『燃えろ!新日本プロレス』vol.56(2013年12月5日号)に掲載


http://weekly.shueisha.co.jp/moero/main.html

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http://wpb.shueisha.co.jp/2014/10/09/37069/

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