広島市内で、野球用ユニフォームを制作販売する「プレイボーヤ」店主の加藤勝義さんがこう話す。
「黒田はメジャーに挑戦する時、『日本に戻ってくるなら、またカープに』というセリフを残して渡米しました。それから7年。年俸21億円超のオファーを蹴り、4億円しか提示できなかったカープに約束通り、戻ってきてくれた。その黒田の“男気(おとこぎ)”に市民は皆、感動しているんです」
ならば、その熱狂ぶりを実感しようと、黒田の入団会見が行なわれた2月16日の翌日、広島に行ってみた。
JR広島駅を降りて、まず目に入ったのが地元デパート「福屋」の正面に掲げられた巨大な垂れ幕。そこには「おかえりなさい!黒田投手」という太文字が躍っていた。
駅構内の売店には、前日の入団会見の模様を報じるスポーツ紙が山積みに。売店のおばちゃんが笑って言う。
「1面はどれも黒田の巨大写真がデカデカと載っとるじゃろ。こんな大きな扱いは見たことがない。切り抜けば、そのまま黒田のお面ができる」
続いて、駅から本拠マツダスタジアムに続く長さ約800mの通り、通称“カープロード”へと移動し、界隈(かいわい)の店を訪ねる。
その一軒、お好み焼き店「KOUBOUICHIスタジアム広島」の越田城全プロデューサーが、黒田フィーバーの現状を説明してくれた。