今回のテーマは、これからの日ロ関係の命運を握る外務官僚の話だ。鈴木宗男、佐藤優氏とも因縁の深い彼は日本外交をどこへ持っていこうとしているのか? こんな男が日本の外交を動かしていたのか…。
■出世しか考えてない外務官僚に日本の外交が左右される
鈴木 先日、ナルイシキン・ロシア国家院議長が日ロ文化フェスティバルの開会式に来日されました。そして5月20日、ホテルニューオータニで安倍総理と15分間会って、総理はプーチン大統領へのメッセージを伝えました。
佐藤 ただ、これも少しややこしい話がありまして(苦笑)。まず、アメリカはウクライナ問題の制裁措置のひとつとしてナルイシキンさんの渡航を拒否しているし、会うこともダメと言っている。そんな“お尋ね者”が安倍さんに会いたがっていると言ってきた。しかし、アメリカの意向を考えて、外務省は「会わないほうがいい」と進言した。
ところが、おそらく森喜朗元総理や鈴木先生あたりが「これは会わなかったら、その後の日ロ関係は大変なことになるぞ」と相当ネジを巻いたんでしょう(笑)。そこで安倍首相は会うことにした。
すると、外務省の中では「いやー、心の中では私もそう思ってたんですよ。総理がそのようにおっしゃるなら、私も是非そうしたほうがいいと思います」とコロッと意見が変わるヤツが出てきた。それが今の外務省のナンバー2である、杉山晋輔審議官です。