ファンのみならず、キャンプ、オープン戦での投球を見てきたメジャー関係者の評価も上々だ。ドジャースと同じナショナルリーグに所属する某球団のスカウトは次のように語る。
「現在、前田はドジャースの先発ローテーション3番手扱い。順調に力を出せれば、年間180イニングを投げ、15勝10敗、防御率3点台後半あたりの数字も期待できると見ています」
マエケンといえば、昨年まで6年連続2桁勝利を挙げている広島のエース。しかし、よく考えてみると大谷翔平(日本ハム)のような剛速球もなければ、田中将大(ヤンキース)の24勝0敗(楽天時代の2013年)のような伝説的な実績もない。
さらに、ダルビッシュ有(レンジャーズ)のような「見るからにエグい球」もない。岩隈久志(マリナーズ)のスプリットのような空振り必至の落ちる球もない…。
日本の野球ファンも、「前田のどこがスゴいのか」をきちんと説明できる人は意外と少ないんじゃないだろうか? マエケンを広島時代からずっと見続けてきた、ナ・リーグ某球団のアジア担当スカウトはこう解説する。
「球威、球速は、メジャーでは“並”の水準。日本時代はスライダーが決め球でしたが、それもメジャーでは絶対的なウイニングショットにはなりません。ただ、逆に言えばすべての面で平均的に高いレベルにある。あえて言えば『特徴がないのが最大の特長』でしょうか。