ではなぜ突然、今回シベリア鉄道の日本直通化の話なんて出てきたのか? 日本とロシアの物流事情に詳しい、環日本海経済研究所の名誉研究員の辻久子氏によると、

「かつてはスターリン時代に、ソ連と樺太を鉄道でつなぐ構想があり、1950年代トンネルを掘ることを試みたという話もあります。ロシアの鉄道関係者にとって、今も樺太との直結は夢なんです。でも現実問題として、樺太までつないでも、人や貨物の量は限られる。そこで、その先の日本までつなげることで、石炭や石油の輸出先や、逆に日本からの物流を見込んでいるのでは?」

ちなみに現在、日本の石炭輸入先1位はオーストラリアで65%、2位がインドネシアで17%、3位がロシアで8%。石油においてもサウジアラビア、UAE、カタール続いて4位。ロシアは埋蔵量が多く、生産量は年々増加しており、輸出先として日本への期待は大きいのだ。

また、プーチン大統領の側近として知られるウラジーミル・ヤクーニンは、ロシア鉄道の前総裁。彼は昨年7月に東京で開かれた世界高速鉄道会議で、「サハリンを通じてロシア大陸と日本とを結ぶ、将来のプロジェクトについて安倍首相と話した」と語った。これはただの絵空事ではオワれなくなってきたぞ!

■日本直通化への課題は山積み



だが当然、実現へのハードルは多い。まず、日本とロシアは線路の幅が違う! 日本は狭軌といわれる1067mm。一方ロシアは1520mmの広軌で、およそ1.5倍だ。