独創的な料理を続々と開発している野島慎一郎氏
『週刊プレイボーイ』で「激ウマ!! バカレシピ研究所」を連載中のB級フード研究家・野島慎一郎(のじま・しんいちろう)さん。
今回の"バカレシピ"は、割り箸を燻製(くんせい)すれば何を食べても燻製風味になるということで「割り箸の燻製」!
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【今回の食材&ツール】
・割り箸 1膳 ・カップヌードル スモーキーブラックペッパーしお 1個 ・ドウシシャ もくもくクイックスモーカーS 1台
野島 前にドウシシャ製の燻製器を買ったんだけどさ。
助手 以前にビッグマックの燻製を作ったッスよね。あれもウマかったもんなぁ......。
野島 それでいろいろ家で燻製をしてみた結果、たどり着いた答えがあるのです。割り箸を燻製すれば何を食べても燻製風味になると!
助手 アンタ、それ料理研究家としていよいよ末期だぞ!
(1)切る! 使用する燻製器の種類によっては一般的な割り箸はそのまま入らないことがある。その場合は割り箸の長さをノコギリやハサミで切って調整し、燻製器の中に入る長さに整えよう
野島 文句は味見してからお願いしますね。
助手 わっ、ノコギリで切るのかよ! どこからどう見ても料理のコーナーに見えないッス!
(2)燻製! 燻製器に割り箸とスモークチップをセットし、火をつけて数分間待ち、割り箸の色が変化してきたら火を消す。消火後もしばらくはフタをし続けて香りを割り箸に浸透させよう
野島 長さを調整したらそのまま燻製器にセット! 火をつけて数分待てば出来上がりです。
助手 割り箸が燻されて少しずつ色が変わってきたッス!
野島 よしできた。ではこの割り箸を直接しゃぶってみて。
助手 うおっ、こりゃすごい。
野島 では続いて燻製おつまみの定番、チーズを燻製割り箸で食べてみてください。
助手 あっ......! これ完全に燻製したチーズを食べてる気分になれるわ! ちゃんと燻製したほうがうま味とかが増すんだろうけど、手っ取り早く雰囲気を味わえるッスね。これ、けっこうな大発明なのでは!?
(3)さらに燻製! 燻製割り箸で燻製フードを食べれば限界突破した燻製感を味わえる。ということで、もともと燻製感の強いカップヌードルしおを乾燥したまま燻製器に入れ、さらに燻製!
野島 これで燻製料理を食べると燻製感MAXで最高なんです。そこで用意したのがカップヌードルしお! これ、ただでさえスモークオリーブオイルが効いてるんですが、中身を全部燻製してから調理し、燻製割り箸で食べてもらいます。
助手 極限まで燻製するわけッスな! 食べてるうちに一酸化炭素中毒で死なないかしら?
(4)完成! 燻製したカップヌードル しおを容器に戻し、熱湯を注げば完成。
野島 人はそんなに簡単に死にませんから。というわけで燻製したカップヌードルが出来上がりました。さあ、食べてみて!
助手 グハッ! こりゃやりすぎだ!! ああ、でもお酒を飲む人にはいいのかも。燻製の余韻が口の中に残るから、これだけで飲み続けられる気がするッス。
野島 そうそう、酒と合うんです! ウメェーッ、ヒック!
助手 あ、アンタ飲んでるな!
野島 箸の先端を噛むとさらに燻製の風味が広がってくるな......イテッ!! 箸が折れて喉に刺さった!! グアァァッー!! これは死ぬかもしれないー!!
助手 何やってんだ! アンタが飲むとろくなことないな!!
●野島慎一郎(のじま・しんいちろう)
ライター、マンガ家、B級フード研究家。独創的な料理を続々と開発している。
撮影/下城英悟