
日本代表について語った宮澤ミシェル氏
サッカー解説者・宮澤ミシェル氏の連載コラム『フットボールグルマン』第176回。
現役時代、Jリーグ創設期にジェフ市原(現在のジェフ千葉)でプレー、日本代表に招集されるなど日本サッカーの発展をつぶさに見てきた生き証人がこれまで経験したこと、現地で取材してきたインパクト大のエピソードを踏まえ、独自視点でサッカーシーンを語る――。
今回のテーマは、日本代表について。10月と11月に4試合の強化試合を戦った日本代表。そこで露見した課題について宮澤ミシェルが語った。
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来年に向けての収穫ありという強化試合になったんじゃないかな。
新型コロナウイルスの感染リスクからクラブ側が招集を拒否した堂安律と大迫勇也は不参加になったけど、ベストメンバーに近い形では臨めた。そのなかで、日本代表は11月13日のパナマ戦に1-0で勝利し、11月18日のメキシコ戦は0-2で敗れた。
3バックを試したり、左サイドバックで中山雄太が守備での安定感を見せたり、鎌田大地や遠藤航の存在感が際立っていたりと、さまざまな収穫があったね。
そのなかで最大の収穫であり、課題として浮き彫りになったのが決定力不足。特にメキシコ戦の前半はゴールを決めるべきチャンスシーンがあった。
圧倒的なストライカーが育ちにくい日本サッカーにとって、決定力不足はどの代表監督の時代でも頭を悩ませてきた課題。そのなかで見出したのがチャンスをつくる回数を増やして、それで得点を奪うこと。