
同ジムの先輩でもある井上のアンダーカードに登場した平岡。合計3回のダウンを奪い、4回TKO勝利を収めた【写真:Mikey Williams/Top Rank】
「さっき、おやじと(大橋秀行)会長に『どうだった?』って聞いていたんですよ。(ダウンを奪ったパンチは)アッパーが当たったのかなあ、という感じで、あんまり感触がなかったので」
試合後、事もなげにKOシーンを振り返る姿からも、平岡アンディ(大橋ジム)が規格外のボクサーであることが感じられた。ほとんど手応えがなかったパンチでダウンを奪い勝利してしまう。このパワーとスケール感が、アメリカでも注目を浴び始めている。
現地時間10月31日、米ラスベガスのMGMグランドガーデン内にあるカンファレンスセンターで行なわれた、スーパーライト級8回戦。平岡はリッキー・エドワーズ(アメリカ)を相手に4回2分20秒でTKO勝ちを飾った。
サウスポースタンスで攻め込み3回に先制ダウンを奪うと、4回にも右フックでダメージを与え、2度のダウンを追加して完勝した。
この日のメインイベントは、"モンスター"こと井上尚弥(大橋ジム)のラスベガスデビュー戦。王者の井上が挑戦者のジェイソン・マロニー(オーストラリア)を7回KOで下してタイトルを防衛し、全米のファンを興奮させた注目度の高い舞台で、24歳のスター候補は強さと魅力を存分にアピールした。
近年、NBAでプレーする八村 塁(はちむら・るい)、女子テニスの大坂なおみなど、ハーフのアスリートの活躍が目立っている。ガーナ人の父、日本人の母を持つ平岡もそのひとり。プロデビュー以来16戦全勝(11KO)の快進撃を続けているが、遠くないうちに令和を代表するハーフ・アスリートとして認識されるかもしれない。