就職面接や新しい職場での初日、異業種交流会、あるいは合コン。
大事な場面ではかならずといっていいほど「自己紹介」が付きまとう。

しなければいけないことだとわかってはいれど、「緊張してしまう」「何を話していいかわからない」「話すことがない」など、苦手にしている人も多いはずだ。

「自己紹介は、30秒で終わるのがベスト」

国会議員の秘書を15年間務めた経験を持つ選挙コンサルタント・鈴鹿久美子氏は、著書『たった30秒で人の心をつかむ 最強の自己紹介』(マキノ出版刊)で、2018年末まで実に“勝率88%”を誇る自身の選挙コンサルティングでの実績を可能にした自己紹介術を明かしている。

■「勝たせ屋」が語る好印象を与える自己紹介の絶対法則

永田町で「勝たせ屋」という異名を持つという鈴鹿氏は、その秘訣として時間にして30秒、たった200字で相手に好印象を残す「30秒自己紹介」を挙げる。

30秒自己紹介では、たった200文字の中に、「自分」と「他人」という異なる主体、そして「過去」「現在」「未来」という3つの時間を織り込まなければならない。ここで大事になるのが「骨組み」だ。

1.冠言葉+名前

2.過去(共感)

3.現在(体験)

4.未来(提供)

5.冠言葉+名前

1と5の「冠言葉」は、鈴鹿氏の造語。

定義は、自分が他人に与えることのできるメリットを短く表現し、王冠を頭に乗せるように、名前につける言葉である。

この冠言葉は、「自分はあなたの役に立つ」というメッセージを込めた簡潔な言葉であることと、「自分の背筋がピンと伸びる少し重めの言葉」を選ぶことがキモ。たとえば営業マンなら、「ダントツトップの成績を更新し続ける明るい営業マン+名前」というように冠言葉を作るのだ。

最初と最後に冠言葉がくる「双括型」にすることで、聴き手に印象を強く残す狙いがある。最初と最後に結論があるため、聴いている側も理解しやすいという。

2の「過去」では、相手に共感してもらうために、過去の失敗やつらかった経験を話す。

3の「現在」では、2で得た経験の価値によって成長した自分の「体験」を話す。4の「未来」では、2と3があったから生まれた自分の得意なこと。つまり、相手に与えられる利点、メリットを話す。

これらの5つを骨組み通り順番に200字にまとめ、30秒で話すのが、鈴鹿氏の提唱する「最強の自己紹介」だ。

選挙での候補書が勝つか負けるかは、「自己紹介」で決まると勝たせ屋の鈴鹿氏は述べる。面接、ビジネス、合コンなど、どんな場面でも使える「最強の自己紹介」のテンプレートに自分のPRポイントを当てはめて、自己紹介を作ってみてはどうだろう。

自己紹介で失敗してきたという人も、相手の印象が良い方向に変わるはずだ。

(新刊JP編集部)