
不況に加え、3月に起きた東日本大震災の影響もあり、来年以降も日本経済が好転する見込みは薄い。就職をめぐる状況は厳しくなるばかりのように見える。そんな中、大学生は、どんな風に大学生活を過ごせばいいのだろうか?
教育学者の齋藤孝氏は著書『就職力』(毎日新聞社/刊)で、自分の努力と意思で優良企業との出会いを引き寄せるための力を学生生活の中で身につける方法を説いている。
例えば、企業が大学生に求めているものの1つは、学問を通して身につけてきた成熟した認識力や判断力だという。学問を積み重ねて「活字力」を磨いた人材が、仕事で即戦力となるのだ。
そして、齋藤氏は、活字力をつけるためには、最低でも1日に200ページは読むべきだという。
雑誌でも新書でも、とにかく200ページ以上、毎日読む。学生時代に何かを頑張ったとエントリーシートや面接でアピールするには、表現する力が大切になる。それこそが「活字力」なのだ。たくさん本を読むことにより、活字力が上がる。すると、自然と解説力もアップする。
齋藤氏は、大学時代に1000冊本を読破したとき、やっとディープな読書生活と言えると本書の中で語っている。1000冊読めば、見えなかったものが見えてくるし、分からなかった表現や言葉が分かるようになり、知識の水準が上がるのだという。
不況の中、ほとんどの企業は若い人材を長い期間使って育てる余裕がなくなってきている。
だからこそ、学生生活の中でしておくべきことがあるはずだ。将来のために、学生のうちに何をすればいいのか、何が必要なのかを明白にしてくれる1冊だ。
(新刊JP編集部/田中規裕)
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