ハローキティが仕事を選ばない理由

 このハローキティの産みの親であるサンリオは従来、サンリオショップなどの直営店のグッズ販売を収益の柱としてきました。しかし、数年前からビジネス構造を転換、ハローキティなどキャラクターの商標ライセンス、つまり使用許諾の契約を海外企業と積極的に結び、「ライセンスフィー=商標権使用料」の収益を伸ばしています。

 こうすることで、サンリオ側は自分たちがグッズの製造コストをかけなくても良いわけですし、人件費を遣う必要もありません。そしてライセンス先の企業が各国でヒット商品を作って売り上げを伸ばすことで、自動的に入ってくるフィーが増えるわけです。
 一方でサンリオ側が譲歩している部分もあります。それが、ある程度自由なデザインを認めているということ。しかし、すでにそれぞれの地域や国で流行しているデザインやキャラクターがあるわけですから、ハローキティがより現地で流行るキャラクターとして人気を高めるための「攻めの発想」とも言えます。
 この自分たちで費用をかけずにライセンス先の企業に活用してもらい、キャラクターを育ててもらうというビジネスモデルが、世界的に厳しい経済環境の中でも堅調であるサンリオの強みを生み出しているといえます。

 最近話題になった商標権の係争といえば、北海道の銘菓「白い恋人」と吉本興業の子会社が企画・販売した「面白い恋人」。そもそも「面白い恋人」のようなジョーク商品は昔からあります。しかし、今回違ったのは、この「面白い恋人」が年間売上6億円のヒット商品になってしまったことでした。

 本書ではこの他にも、アップル社が中国企業に6000万ドルを支払った理由、「なめ猫」成功秘話、ご当地ラーメンの商標をめぐる戦いなどを様々な事例を通して商標とは何かを説明していますが、いずれも身近なものばかりです。
 商標権を上手く使ってビジネスを展開する企業もいれば、思わぬところから足をすくわれてしまう企業もある。つまり、敵にも味方にもなるのです。だからこそ、ビジネスに携わるすべての人が、商標権の仕組みを理解しないといけないのではないでしょうか。
(新刊JP編集部)

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2012年7月30日のライフスタイル記事

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