
それもそのはず、外交官でありロシアの情報・分析に通じる佐藤優氏と、社会制度や経済などのエキスパートとして知られる副島隆彦氏という日本きっての評論家2人が対論を繰り広げているからである。
本書は5章から成る。
序章と1章では、副島氏がアメリカの政治思想を引き合いに出しながら、金融恐慌後のアメリカ凋落と世界銀行IMF体制の崩壊を預言する。
2章からは4章は、ロシアにおける民族思想と宗教の実像や、2008年8月に起こったグルジアとロシア軍の軍事衝突などについて佐藤氏が鋭い分析を加える。
そして最後の5章で、アメリカに乗っ取られ、暴走し凋落していく未来の日本の姿が、両者の言葉から浮き彫りになってくる。
本書は最初から最後まで2人の対論で進む。専門分野が違うということあり、例えばロシアの話題ならば佐藤氏というように、テーマによって話のイニシアチブを取る人は章ごとで違うが、両者ともにその膨大な知識量をもとに相手の話に新たな見識を加える。
現在、金融危機を巡る言説は“犯人探し”に固執されがちだが、本書を読むと、そうした議論は直ちに霞んでいってしまう。
これまで知る由もなかった世界で起きていることを知り、暴走を食い止めるための効果的な手段を打つこと―今、日本がしなければいけないことは、それなのかも知れない。
(新刊JPニュース編集部)
◆『暴走する国家 恐慌化する世界―迫り来る新統制経済体制(ネオ・コーポラティズム)の罠』
著者:副島隆彦、佐藤優
出版社:日本文芸社
定価(税込み):1680円
発売中
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