「バラエティがいじめ助長」に水道橋博士が反論

「バラエティがいじめ助長」に水道橋博士が反論
 学校や職場での“いじめ”が取り沙汰されるようになって久しい。今年夏に滋賀県・大津市で起きた中学二年生のいじめ自殺によって、この問題が再度クローズアップされたのは多くの人にとって記憶に新しいところだろう。
 ところで、メディアで「いじめ」が取り上げられる時に必ずと言っていいほど出てくるのが、「人をいじめて、それを嘲笑するようなバラエティ番組がいじめを助長している」という論調で語られる“お笑い芸人叩き”だ。
 こういった意見が的を射ているかどうかはさておき、バラエティ番組に出演している当のお笑い芸人たちにほとんど反論の場が与えられていないのは、いささか不公平なのではないかと思える。
 浅草キッド・水道橋博士は著書『藝人春秋』(文藝春秋/刊)のなかで、この問題に真っ向から切り込んでおり、それは上記のような意見に対する芸人側からの反論だと読み取れる。

 お笑いは、本来、社会に剥き出しに表出している“悪意”や“差別”を大人のように見て見ぬふりをせず、あえて炙り出し、目の前で再現するもの“(本書257~258ページより引用)

 つまり、“悪意”や“差別”といった、古くからメディアによって、その存在すら隠されてきたものを暴き、一種の風刺として演じることこそがお笑いなのであって、「バラエティでの芸人がいじめを助長する」というのは彼らの芸の表面しか見ていないことになる。
 これは、同氏の師匠であるビートたけしの「最近のお笑いはいじめギャグばかりで、子供が真似するからよくないっていうけど、お笑いは昔から予定調和のいじめギャグで笑わせてきたんでさ。そういう言い方ならオイラなんか全部いじめギャグで食ってきたんでね。」(本文より引用)という意見と根を同じくするのではないか。

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