例えば一緒に仕事をすることになった人が東大卒だったら、それだけで「この人は優秀なんだな」「頭が良いんだろうな」と思ってしまわないだろうか。
元ライブドアの社長である堀江貴文氏も、すい星のように現れた2004年、2005年の頃に、東大中退という経歴が大きくクローズアップされた。
そして、堀江氏自身も“東大”というブランドの威力が想像以上だったと、2009年に出版した『夢をかなえる「打ち出の小槌」』(青志社/刊)で書いている。
堀江氏がまだ学生だった頃、ヒッチハイクをしながら旅行をしていた。当時、堀江氏は20歳そこそこ。たいていのドライバーはそんな若い男を車に乗せたら、「何かされるんじゃないか」とリスクを考えるだろう。
「東大」というブランドを見せれば、ほとんどの人が多くを語らずとも信用してくれる。しかも、それは一度東大に入ってしまえば、ずっと使えることになる。堀江氏も「『俺はとんでもないものを手に入れたんだな』と思ったものだ」と回想している。
この「東大」というブランドこそ、堀江氏が言う「打ち出の小槌」の一つだ。そして、その「打ち出の小槌」が出してくれるのは「信用」である。
堀江氏からすれば、お金は信用を数値化したものであり、生きていくために大事なのは「お金」ではなく「信用」なのだそうだ。
普段の生活の中で、自分はどのくらい信用されているか、考える機会はそう多くはない。それは当たり前だ。「信用」には実体がないのだから。
「東大」も信用を生むものの一つだし、「熱意」や「自信」といった実体がないものも、「信用」が生まれるために必要なものだ。他には、「ギャグ」もその一つである。テレビに出なくなった一発屋芸人の中には、地方の営業にシフトしてお金を稼いでいる人たちがいる。それができるのは、彼らが自分たちを代表する「ギャグ」を持っているからであり、それをしっかりと生かしているからだ。
信用は、目に見えないものから生まれることが多い。
あなたは、あなただけの「打ち出の小槌」を持っているだろうか。もしないのであれば、自分の「打ち出の小槌」をつくるために動いてみよう。それが、あなたが本当に望む生き方ができるようになる一歩になるかもしれない。
(新刊JP編集部)