「今、この場から富士山を動かしてみなさい」…あなたならどう答える?

その時、学歴や職歴ましてや名声や名利などは何の意味もないと痛感しました。今までの自分の価値観が総崩れとなって、頭を思いきり強打された感覚に襲われました。今思えばきっと欠点だらけの私の人間性を師匠は見抜いて、こうした禅問答を私に投げかけてくれたのだと思います。そこからですね。真剣にもっと禅のことを知りたいと思うようになったのは。

――師匠から「今、この場から富士山を動かしてみなさい」という質問をされたとき、どう岩井さんなりにお答えしたのですか?

岩井:師匠と弟子の関係である以上、そこには緊張が張りつめています。質問をされるだけで体が硬直してしまうような緊迫感があるのです。そんな状況で、論理的に考えれば「できない」と答えざるを得ない質問が飛んできたのですから、何も答えることはできませんでした。考えれば考えるほど答えが出てこなくなるし、どうしてそんな質問をしたのだろうという思いもありました。

――この質問は、いわゆる「頓知」ですよね。

岩井:頓知というか、まさに「禅問答」です。例えば、有名な禅問答で、「両手で拍手をすると音がする。では、片手で拍手をしたときにどんな音がするか」という問いがあります。これも、ロジカルに考えて答えが出るものではありません。

これが禅問答なのです。常識や固定観念、凝り固まった自分の殻を割って、もっと心身を含めてゼロから考え直さないといけない。師匠の「今、この場から富士山を動かしてみなさい」という質問も、そのような意図があったのだと思います。
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