某都市で「1Q84」をおさえて1位の本

某都市で「1Q84」をおさえて1位の本
 この夏、広島に行く機会があったので書店をまわってみたのだが、どの書店に行っても平積みされている写真集があった。ジュンク堂書店広島店ではなんと村上春樹の『1Q84』を押さえて1位を獲得していた(8月14日に書店で確認)。この写真集は、なるほど、まさに広島市民のための、郷土愛溢れた写真集である。

 『百二十八枚の広島』(南々社)は、終戦直後の昭和20年代から30年代にかけての広島の写真が128枚掲載されている写真集だ。

 1945年8月6日、原子爆弾が投下され、広島の市街地は壊滅状態に陥った。
 しかし、そのわずか3日後の8月9日には路面電車が運行を再開(区間は己斐から西天満町まで)など、市民たちは復興への歩みを踏み出した。
 本作では、昭和20年代後半から昭和30年代にかけての広島の街が復興されていく様子を、人々の生活や街の風景の写真とともに辿っていく。

 今でこそ、100万人を超える人口を抱え、中四国の中心都市となっている広島であるが、原爆被害からの復興の道は並大抵のものではなかったはずだ。今とは違い、物資もなく、また原爆症という恐怖と対峙しなければいけなかった。

 その中でも、「おらが球団」としての広島カープの誕生や、広島城の再建、バスセンターの建設など、次第に都市化していく街の姿は、市民たちにとっての「未来への希望の灯火」だったのかも知れない。

 本作の写真は、瓦礫の広島が次第に都市として整備されていく様子と同時に、市民たちの日常生活を送るさりげない姿は、読み手に何かを訴えかけるようにも見える。

 終戦直後という時代は人々が「生きる」ということに最も執着していた時代であったとも言われる。今の時代にはない魂を、本作から感じ取ってもらえればと願うだけだ。
新刊JP編集部/金井元貴)

『百二十八枚の広島』
著者:明田弘司
出版社:南々社
定価(税込み):1890円
発売中

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