建物への落雷で医療用の植込み型パルス発生装置が停止

headless曰く、

建物への落雷により、建物内にいた患者の植込み型パルス発生装置(IPG)が動作を停止するというスロベニアでの事例がJournal of Neurosurgeryで報告されている(報告書Ars TechnicaRegister)。

この患者は頸部ジストニアの治療で脳深部刺激療法(DBS)を5年前から受けており、経過は非常に良好だったという。ある日、アパートの電気系統への落雷があり、テレビやエアコンなどが破壊される。IPGは充電中ではなく無事だったが、1時間ほどのちに頸部の痙攣が再発していることに気付く。患者用プログラマーで状態を確認するとPOR(パワーオンリセット)の警告が出ていたという。病院での検査の結果、刺激機能はオフになっていたがDBSシステムに損傷はなく、刺激機能をオンにしたところ症状はすぐに改善したとのこと。

患者が使用しているIPG「Medtronic Activa RC」の充電装置はACアダプターと充電池を内蔵したリチャージャー、非接触充電用のアンテナという構成。アンテナにリチャージャーを接続し、ベルトで植込み位置に固定して充電するのだが、ACアダプターをリチャージャーに接続したままIPGを充電することも可能だ。今回のような状況では重大事故につながる可能性もあるため、報告書ではACアダプターを取り外してからIPGを充電することや、建物でサージ保護が行われていない場合は個別にサージプロテクターを使用すること、雷発生時にはリチャージャーもIPGも充電しないことを推奨している。

デバイスメーカーはシステムの損傷や予期せぬ設定変更、患者自身の負傷を防ぐため、高レベルの電磁場発生源を避けるよう警告している。患者のIPGは雷による強い電磁場発生により保護回路が働いたとみられるが、適切な時間内に機能が復旧しなければ症状が深刻化する可能性もある。そのため、報告書では症状が悪化した場合にIPGの機能をチェックするよう医師が患者に指導すべきだと述べている。また、メーカーに対しては雷など自然の電磁障害についても注意喚起することを提案している。

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