新型コロナウイルスの影響を受けて、サッカーメディアの間で一大ブームとなっている「ベストイレブン企画」。イギリスのサッカーサイト『Squawka』は、「FWだけで構成するベストイレブン」だけでなく、「センターバックだけで構成するベストイレブン」を発表している。


 選出対象となったのは、欧州5大リーグでプレーするセンターバック。システムは、中盤をダイヤモンド型とする3-4-3を採用している。こちらも選出理由は明かされていないが、興味深い人選なので紹介しよう。

※カッコ内は(現所属クラブ/国籍)

▼GK
フィル・ジャギエルカ(シェフィールド・U/イングランド)

 イングランド代表歴を持ち、今季エヴァートンから古巣シェフィールド・Uに復帰したジャギエルカ。37歳になる彼もまた、“急造GK”としてプレーした経験がある。同クラブに所属していた2006年12月、アーセナル戦で負傷したGKパディ・ケニーに代わってGKとしてプレー。
相手の攻撃を30分以上防ぎ切り、1-0の完封勝利に貢献した。

▼DF
アイメリク・ラポルテ(マンチェスター・C/フランス)
レオナルド・ボヌッチ(ユヴェントス/イタリア)
カリドゥ・クリバリ(ナポリ/セネガル)

 3バックを構成するのは、左からラポルテ、ボヌッチ、クリバリだ。強さ、高さ、速さ、巧さのどれをとっても不足はないだろう。ビルドアップ能力の高さは特筆すべきで、センターバックばかりのチームにおいては貴重な存在だ。彼らは単なる守備者ではなく、“後方の司令塔”としての役割も果たす。フィジカルの強さが目につくクリバリもDFとは思えないテクニックを持ち、ナポリでの練習中にラボーナでシュートを決めた映像がSNSに出回ると世界中で大きな話題となった。


▼MF
ダヴィド・ルイス(アーセナル/ブラジル)
マルキーニョス(パリ・サンジェルマン/ブラジル)
セルヒオ・ラモス(レアル・マドリード/スペイン)
ダヨ・ウパメカノ(ライプツィヒ/フランス)

 ダイヤモンド型の中盤は、マルキーニョスがアンカー。両脇をD・ルイスとウパメカノが固め、トップ下にはS・ラモスが入る。

 マルキーニョスは所属するパリ・サンジェルマンでアンカーポジションやダブルボランチを務めることが多く、全く違和感はない。彼なら、ポジションを下げて4バックを形成することも可能になるため、チームを指揮する監督も安心して起用できるだろう。

 最大のサプライズは、S・ラモスのトップ下起用か。何でもできる選手とはいえ、スルーパスでチャンスを演出――というタイプではない。
ただストライカー並みの得点力を持つことで有名だ。スペイン代表通算21得点は歴代10位タイの記録であり、レアル・マドリードでは2016-17シーズンに初めてシーズン2桁得点を達成した。昨季は自己記録を更新するシーズン11得点をマークしている。また攻撃に専念したほうがレッドカードを貰うリスクも回避できそうで、メリットのほうが大きいかもしれない。

▼FW
ラファエル・ヴァラン(レアル・マドリード/フランス)
フィルジル・ファン・ダイク(リヴァプール/オランダ)
ジェラール・ピケ(バルセロナ/スペイン)

 注目の3トップは、左からヴァラン、ファン・ダイク、ピケが並んだ。1トップのファン・ダイクは、サッカー界No.1と言える身体能力の高さが最大の武器。
自慢の跳躍力を生かしたヘディングシュートはもちろんのこと、正確無比なキックからもゴールを奪ってくれるだろう。実際、セルティック時代には直接FKでゴールを奪ったことが何度かある。センターバックとして超一流の彼は、ストライカーとしても十分な結果を残せそうだ。

 一方、ピケは足が速いとは言えず、ヴァランはケガがちという弱点を持つ。それでもピケは2008年のバルセロナ復帰後、12シーズン連続で得点をマークするなど、“ゴールに愛される男”として知られる。対するヴァランは得点力には乏しいが、サッカー界きってのタイトルコレクターだ。
2018年のロシア・ワールドカップで優勝を果たし、当時25歳にして16個目のタイトルを獲得した。“タリズマン”(守り神)として、チームに一人は置いておきたい選手かもしれない。

 以上が、欧州5大リーグでプレーするセンターバックだけで構成されたベストイレブンになる。FWだけのベストイレブンと対戦してみたら、果たしてどちらが勝つのか。友人らと意見をぶつけ合ってみるのもいいだろう。

(記事/Footmedia)