中断期間中に故障者が続出したなかで巡ってきたチャンスだが、単に“運良く”出場機会をモノにしたというわけではない。中断期間に組まれた練習試合では、報道陣に公開されたジュビロ磐田戦(3月28日)、藤枝MYFC戦(6月13日)で2試合連続ゴールをマーク。「今日、スタメンだったことに対して特別な驚きはなかった」と本人が語るように、しっかりと結果を残したうえで、指揮官の信頼を勝ち取った。
「4-3-3」システムのトップ下で起用された鈴木は、「自分としては、試合の入りは良い形でできた」と振り返ったように、立ち上がりから豊富な運動量を発揮し、1トップの後藤優介や両サイドの金子翔太、カルリーニョスらと連動しながらゴールに迫った。9分には、中央の位置で前を向いてボールを受けると、すかさずミドルシュート。「やはりデビュー戦ということで、ボールを持ってからどんどん打っていこうと考えていた」と積極的な姿勢を見せた。
高卒ルーキーを先発に抜擢したピーター・クラモフスキー監督は、「才能ある選手だと思っている。彼はここまでハードワークをして、出場機会を得るだけの準備をしてきた。今日も良いプレーをしていたと思う」と評価した。チームは1-2で敗れ、2月の開幕戦に続いて2試合連続の逆転負けを喫したが、今後も過密日程が続くなかで、鈴木の台頭は明るい材料だ。「結果を残さないと生き残れない世界。
取材・文=平柳麻衣