
新型コロナウイルス感染症による中断を経て、ようやく有観客試合が戻ってきた7月12日の静岡・IAIスタジアム。清水エスパルス対ガンバ大阪戦は拮抗した展開で1-1のまま終盤を迎えていた。
試合が動いたのは89分。74分からピッチに立った33歳のベテランFW渡邉千真がチームに再開後初勝利をもたらす殊勲の決勝弾を叩き出したのだ。渡邉は8日に行われた前節の名古屋グランパス戦でも終了間際に値千金の同点ゴールを奪っていた。そして中3日で迎えたこの日もジョーカーとして目覚ましい働きを見せ、ガンバに漂っていた停滞感を打ち破ったのである。
「チームには『試合を始める選手』と『試合を終わらせる選手がいる』という話をしている中で、(クローザーの)千真が点を取ってくれた。いいメッセージを残してくれたと思っている」と宮本恒靖監督も満足そうに語ったように、ガンバには短期間でも結果を出せる職人が何人かいる。40歳のJ1最多出場記録保持者・