■北海道コンサドーレ札幌 調子を上げてきた2人のブラジリアンストライカーに期待



【プラス材料】
 残念ながらプラス材料を多く挙げることが難しい状況ではあるが、ここ最近取り入れているゼロトップ布陣の連係が円滑になっていることがまずは挙げられる。

 スムーズにポジションチェンジをしながら守備を行い、ボールを奪ってからも巧みにフリーな選手を生み出して前向きにパスをつなぐ形へと移行する回数は増えている。


 そして、FWアンデルソン・ロペス、FWドウグラス・オリヴェイラといったブラジル人ストライカーが途中出場を重ねる中で、チームによりフィットしていることもまた同様。追いかける展開の試合が続いてしまっているからこそではあるが、特にD・オリヴェイラは決定機に絡む回数も増えてきており、期待が高まってきている。

【マイナス材料】
 リーグ戦ここ5試合は未勝利。3連敗も含む1分4敗だ。そして、その1分も試合終了間際に同点に追いついた展開だったということを踏まえても、非常にここ最近の戦績は厳しいものとなっている。

 押し込む時間帯もあるにはあるが、90分の中でそうした時間帯が生まれるのは当たり前の話であり、逆にその時間帯に得点が奪えていない部分がマイナス材料にも感じる。
FWの選手を先発起用していないのでフィニッシュの形がない、という理屈としては至極当然の状況でもあるのだが……。

 また、試合に出場するメンバーも固まってきており、疲労も見て取れる。中2日でのこの試合も難しくなるだろう。

文:totoONE編集部

名古屋グランパス 十分な休養に万全の準備。つけ入る隙は見当たらない



【プラス材料】
 今節で最大のアドバンテージは十分な休養と準備期間に他ならない。ここまで週2回の連戦を選手層のやりくりと同時進行で処理してきたチームにとって、中5日の“通常営業”で支度を整えられたのは大きな要素だ。


 しかも、川崎フロンターレ戦の後には「そろそろ阿部と米本を起用できるようにしなければならない」とマッシモ・フィッカデンティ監督が発言。中盤の核だったMF阿部浩之とMF米本拓司の離脱者2名が戦列に戻ってくれば、再び始まる連戦の日々への大きな補強にもなってくる。

 束の間の休息でリフレッシュした選手たちは、川崎F相手の勝利を糧にモチベーションも高まっていること請け合いだ。自信を深めた守備力と勝負強いオフェンスで今季2度目の3連勝を狙う。

【マイナス材料】
 ビッグゲームの後はメンタル面での消耗がひとつ気がかりではある。川崎Fの連勝を止め、2日間のオフでリフレッシュしたチームが弛緩しないよう、練習でも試合でもチームを引き締める作業は怠りなく進めなければならない。


 逆に言えば、それ以外のマイナス材料は今のところ見当たらず、やはり川崎Fに勝ったという事実とそこから得た自信は良い勢いとなってチームを敵地に向かわせるだろう。

 ここ3試合湿りがちな攻撃陣には奮起を期待したいところ。川崎F戦で加入後初得点を決めたFW金崎夢生をはじめ、点の取りどころは豊富にある。武器となりつつあるセットプレーのターゲットとして、MFジョアン・シミッチなどにも注目だ。

文:今井雄一朗