10月5日、今年で4回目を迎えたEXILE CUP 2013の決勝大会が、神奈川県のしんよこフットボールパークで行われた。あいにくの雨模様の中、予選大会を勝ち抜いた9チームによる熱戦が繰り広げられた。


「今日がいよいよ大会のファイナルです。悔いのないよう、一生懸命頑張ってください」。EXILEを代表して応援に駆け付けたNAOKIの熱いメッセージで大会がスタート。続いて行われた「EXダンス体操」では、同じく会場で激戦を見守ったGENERATIONSの関口メンディー、中務裕太、小森隼、佐野玲於、劇団EXILEの小野塚勇人、野替愁平らとともに軽快なステップを披露してくれた。


 グループリーグの組み合わせ抽選会を行った後、いよいよ試合開始。最終ラウンドにふさわしく、小学生とは思えぬハイレベルな個人技や連係プレーが展開される中、ゴールを決めて満面の笑顔を見せたり、スリッピーなピッチに苦戦するチームがあったり、ふがいないプレーをしてしまい思わず悔し涙を流す選手がいたりと、様々な表情が試合会場を彩った。


 グループリーグを制し決勝トーナメント進出を果たしたのは、Aブロックで1位となった四国代表のDESAFIO C.F(香川県)、Bブロックを勝ち抜いた東海代表の緑東FC(愛知県)、Cブロックで圧倒的強さを見せた関西代表のFC Victoria 伊丹有岡と、ワイルドカード枠で滑り込んだCブロック2位の九州代表、大分トリニータジュニアA(大分県)の4チーム。ここで再度、組み合わせ抽選会が行われ、準決勝は緑東FC対大分トリニータジュニアA、DESAFIO C.F対FC Victoria 伊丹有岡という顔合わせとなった。

 第1回大会チャンピオンであり、グループリーグでもハイプレスと高い個人技を武器に2連勝を飾った緑東FCだったが、準決勝では丁寧にパスをつなぐ大分トリニータジュニアAを前に防戦を強いられる。しかしGKの攻守などで猛攻をしのぐと、後半終了間際に木村俊太君(小学6年)が得意のドリブルシュートでゴールを奪い、先制に成功。そのまま逃げ切り、決勝進出を果たした。

 準決勝、もう一方の試合は、FC Victoria 伊丹有岡が先制し、DESAFIO C.Fがセットプレーから同点に追い付くという一進一退の攻防に。
追い上げるDESAFIO C.Fに流れが傾き掛けたが、最後はゴール前の混戦からFC Victoria 伊丹有岡が勝ち越し点をもぎ取り、決勝への切符を手にした。惜しくも敗れたDESAFIO C.Fは先制されては追い付き、先制しても相手に粘られ、という試合を何度も演じ、大分トリニータジュニアAと激突した3位決定戦でも4点を奪いながら相手に追い上げられ大苦戦。それでも何とか逃げ切り、試合のたびに流していた悔し涙が最後は晴れやかな笑顔に変わった。


 決勝戦はFC Victoria 伊丹有岡と緑東FCが激突。激戦が予想されたものの、開始早々にFC Victoria 伊丹有岡が素早いパスワークで敵陣を崩し、幸先よく先制する。「1点取って緊張感が抜けました」とキャプテンの塩見健吾君(小学6年)が振り返った通り、これで完全に流れをつかみ2点を追加。
3-0の完勝で勝利のホイッスルを聞いた。

 監督やコーチがハーフタイムにほとんど指示を出さず、選手同士で話し合って作戦を練り、頂点へと駆け上がったFC Victoria 伊丹有岡。監督は「僕はただ応援しているだけで何もしていない。子どもたちのおかげ。感謝しています」と笑みを浮かべ、たくさんの賞品を抱えた塩見君は「そう簡単には勝てないと思っていたので、優勝できてうれしい。来年も優勝して、クラブの名を全国に広めてほしい」と来年の「EXILE CUP」を戦うであろう後輩たちにエールを送った。


文=池田敏明
写真=山口剛生、瀬藤尚美