第1回大会チャンピオンであり、グループリーグでもハイプレスと高い個人技を武器に2連勝を飾った緑東FCだったが、準決勝では丁寧にパスをつなぐ大分トリニータジュニアAを前に防戦を強いられる。しかしGKの攻守などで猛攻をしのぐと、後半終了間際に木村俊太君(小学6年)が得意のドリブルシュートでゴールを奪い、先制に成功。そのまま逃げ切り、決勝進出を果たした。
準決勝、もう一方の試合は、FC Victoria 伊丹有岡が先制し、DESAFIO C.Fがセットプレーから同点に追い付くという一進一退の攻防に。追い上げるDESAFIO C.Fに流れが傾き掛けたが、最後はゴール前の混戦からFC Victoria 伊丹有岡が勝ち越し点をもぎ取り、決勝への切符を手にした。惜しくも敗れたDESAFIO C.Fは先制されては追い付き、先制しても相手に粘られ、という試合を何度も演じ、大分トリニータジュニアAと激突した3位決定戦でも4点を奪いながら相手に追い上げられ大苦戦。それでも何とか逃げ切り、試合のたびに流していた悔し涙が最後は晴れやかな笑顔に変わった。
決勝戦はFC Victoria 伊丹有岡と緑東FCが激突。激戦が予想されたものの、開始早々にFC Victoria 伊丹有岡が素早いパスワークで敵陣を崩し、幸先よく先制する。「1点取って緊張感が抜けました」とキャプテンの塩見健吾君(小学6年)が振り返った通り、これで完全に流れをつかみ2点を追加。3-0の完勝で勝利のホイッスルを聞いた。
監督やコーチがハーフタイムにほとんど指示を出さず、選手同士で話し合って作戦を練り、頂点へと駆け上がったFC Victoria 伊丹有岡。監督は「僕はただ応援しているだけで何もしていない。子どもたちのおかげ。感謝しています」と笑みを浮かべ、たくさんの賞品を抱えた塩見君は「そう簡単には勝てないと思っていたので、優勝できてうれしい。来年も優勝して、クラブの名を全国に広めてほしい」と来年の「EXILE CUP」を戦うであろう後輩たちにエールを送った。
文=池田敏明
写真=山口剛生、瀬藤尚美