アメリカで開催中のSheBelieves Cup第3戦が22日、テキサス州フリスコで行われ、なでしこジャパン(日本女子代表)とカナダ女子代表が対戦した。

 ここまで2連敗の日本は、0-1で敗れた3日前のアメリカ女子代表戦から先発を5人入れ替え、清家貴子を右ウイングバックで起用した。
長谷川唯はボランチではなく3トップの一角に入りCFの小林里歌子をサポート。3試合連続で熊谷紗希、南萌華、三宅史織の3バックを採用した。

 日本はアメリカ戦ほどアグレッシブなプレスをかけず緩やかな序盤となったが、東京オリンピック金メダルのカナダも連続したプレーが見られず、互いに攻撃の形を探った。

 そんな中、日本に先制点をもたらしたのは清家だった。26分、右サイドでボールを持った小林からのパスに走り込んだ清家が、相手GKの鼻先でボールに触れてゴールイン。「相手のゴール前にスペースが見えたから、これは行くしかないと思いスプリントしたら、本当にいいボールが来て決めることができた」と、ここまで出番がなかった清家の一発は、今大会の日本初ゴールとなった。


 日本は両サイドや中央から攻撃を続け、40分に左サイドからペナルティエリアに入った遠藤純が、カダイシャ・ブキャナンに倒されて笛が鳴った。「(相手は)割と股が空くと感じていて、何度かトライしてボックス内では自分のフェイクで足を出してくるのは分かっていた」と振り返った遠藤が思惑通りにPKを獲得し、それを長谷川がゴール右に決めて2-0とした。

 日本は後半から清水梨紗、藤野あおば、岩渕真奈を投入し、岩渕がCFへ。藤野は相手に捕まらない絶妙なポジショニングでボールを受けてチャンスを作った。

 カナダは2-0で勝利した3日前のブラジル女子代表戦で、2得点ともセットプレーから挙げただけに、高く強い相手との競り合いがひとつのポイントだったが、セットプレーでもアーリークロスでも3バックがはね返し、大きなピンチは少なかった。熊谷が「私たちもこの期間でかなり(セットプレー練習を)やったけど、それが相手のストロングである以上、余計なセットプレーは与えないことも大事なこと」と話したように、注意深く試合を進めたこともピンチの少なさにつながった。


 77分には宮澤のパスを左サイドで受けた遠藤がドリブルを仕掛け、至近距離から左足でシュート。これがゴールネットを力強く揺らして3-0とした。

 89分には代表初招集の19歳、石川璃音がなでしこジャパンデビューを飾り、3バックの中央に南、右に石川、左に乗松瑠華が入った。熊谷はボランチに配置され「ゲームを締めるというか、しっかり中盤で抑える役割。オプションのひとつとして『抑えの熊谷』のような形」と記者の笑いを誘いながら、ミッションをクリアして3-0の無失点勝利に導いた。日本は1勝2敗ながら、2位で今大会を終えた。


 池田太監督は「ここをスタートとして、女子W杯へ準備を進めていきたい。ひとつの課題は1~2戦目でチャンスがありながらスコアにできなかったところだが、焦れずに粘り強く戦い、特にアメリカ戦ではアグレッシブさを見せることができ、それは自信になったと思う。今日は選手たちが結果という形で表現してくれた」と大会を総括し、アメリカとの接戦がチームの自信を取り戻させたとした。

 熊谷は「一人ひとりの強度はもっと上げなきゃいけないし、4月(欧州遠征)はさらにステップアップしなきゃいけない。今日は3-0で勝ったが満足せず、とにかく前に進んでいきたい」と、早くも次の代表活動を見据えた。

取材・文=馬見新拓郎

【スコア】
なでしこジャパン 3-0 カナダ女子代表

【得点者】
1-0 26分 清家貴子(なでしこジャパン)
2-0 41分 長谷川唯(なでしこジャパン)
3-0 77分 遠藤純(なでしこジャパン)

【出場メンバー】
なでしこジャパン(3-4-2-1)
山下杏也加;南萌華、熊谷紗希(C)、三宅史織(78分 乗松瑠華);清家貴子(HT 清水梨紗)、長野風花(89分 石川璃音)、林穂之香(HT 藤野あおば)、遠藤純(78分 杉田妃和);宮澤ひなた、長谷川唯;小林里歌子(HT 岩渕真奈)


【動画】なでしこvsカナダ 試合ハイライト