ダイレクトで蹴ったロングパスは、前線の味方に文字通り一直線。最後尾のGK大迫敬介が鮮やかすぎるフィードでゴールを演出した。


 サンフレッチェ広島は15日、2024明治安田J1リーグ第18節で東京ヴェルディをホームに迎えた。試合開始2分にFW加藤陸次樹の得点で先制すると、47分と62分にFWピエロス・ソティリウが追加点を決め、82分にはFWドウグラス・ヴィエイラがダメ押しゴール。試合終了間際に東京Vの意地の一発を浴びたが、4-1で勝利した。大迫はフル出場し、守備で見せ場は少なかったが、圧巻のロングパスで3点目をお膳立て。チームの公式戦5連勝に貢献した。

 62分、相手のロングボールが流れると、ペナルティエリアから飛び出した大迫がダイレクトでボールを蹴り返す。
最後尾から低弾道フィードを最前線の加藤に送り、一気に広島の攻撃に転じた。

「狙い通りだった。相手もちょっとディフェンスラインを上げていたので、その裏にひっくり返すようなボールを蹴ろうと思っていた。思った以上にいいボールがいった感じだったけど、でもムツくん(加藤)がいるのはわかっていたので、そこに蹴るイメージはしていた」(大迫)

 守護神の鋭いフィードを受けた加藤はターンしながら華麗なトラップで前を向き、ゴール前にラストパス。これをソティリウが流し込んでゴールネットを揺らした。大迫は、「僕はもうパスを出しただけ。
決めたのはピエロスだけど、9割ぐらいムツくんのゴールだし、本当にあのターンができるはムツくんだからこそ」と先輩のプレーを絶賛した。

 加藤は、「大迫は最近の代表戦でも似たようなキックをしていて、練習のときも実は同じようなキックをしていた」と守護神からのパスを予測していた。

「パスが来るかなと思って、あえて相手の前ではなく、後ろに立っていた。そうしたら本当に綺麗に飛んできて、俺もびっくりして。もう前を向けばほぼキーパーと一対一だったし、トラップも綺麗に決まったので良かったです」(加藤)

 大迫は11日に行われたFIFAワールドカップ26アジア2次予選のシリア代表戦で、日の丸を背負って広島の新本拠地『エディオンピースウイング広島』でプレー。45分には相手のプレッシャーを受けながらも、冷静にダイレクトで低弾道のフィードを送り、攻撃の起点になっていた。


 その試合の前日にはシリア代表との戦いを見据えて、「(相手が前に)出てきた裏のスペースを逆についていければ、ひっくり返せるチャンスはあると思うので、うまく相手を見ながらプレーしていきたい」と話しており、まさに狙い通りのプレーだった。

 そんな日本代表での経験も活かし、今度は広島のサポーターの前で圧巻のフィードを披露。大迫はビルドアップを課題としてきたが、鮮やかなキックで確かな成長を見せつけた。

 加藤は、「(大迫は)代表で何度もやっているので、(劇的に)変わることはないと思うけど、唯一言えるのはキックに自信を持ってきているなってすごく感じる」と代表活動から帰ってきた守護神の成長を実感。ほぼアシストのようなプレーで得点に絡んだ大迫は、「2-0っていう勝っているけどヒヤヒヤするスコアで、本当に大事な3点目の起点になれたのは良かった」と胸を張った。

 この試合で24歳GKは、J1通算150試合出場を達成。
だが、5月にキャプテンのDF佐々木翔がその倍のJ1通算300試合を達成したばかりだったため、大迫は「ああいう数字を見ているので、まだまだ少ないなって感じです」と謙虚に話し、「さらに上を目指すために、この連戦は本当に大事なゲームになるので、チームで戦っていきたい」とすでに次戦に目を向けた。

取材・文=湊昂大


【試合ハイライト動画】広島 4-1 東京V 大迫が起点の3点目は4:49~