2024JリーグYBCルヴァンカップ・プライムラウンド準々決勝の第2戦が8日に各地で開催された。

 ホームで行われた第1戦を6-1と大勝した横浜F・マリノスは、5点のリードを持って北海道コンサドーレ札幌の本拠地に乗り込んだ。
試合は14分、最終ラインからエドゥアルドが出したスルーパスが背後のスペースへ流れると、抜け出したヤン・マテウスが冷静に決め、横浜FMが先手を取る。札幌としては6点差という苦しい状況に立たされたが、後半に入ると反撃をスタート。立ち上がりの48分、右からカットインした菅大輝が左足でシュートを放つと、ディフレクションした一撃がゴールに吸い込まれる。78分には青木亮太のクロスから菅がこの日2点目を決めると、後半アディショナルタイムにはゴール前のこぼれ球をジョルディ・サンチェスが強引に押し込んだ。札幌は第2戦を3-1で制したものの、2戦合計スコアでは横浜FMが7-4と勝利。2年連続の準決勝進出を決めた。

 横浜FMと同様に、第1戦で5-0と大きくリードしたアルビレックス新潟は、敵地でFC町田ゼルビアと激突。第2戦はホームの町田が反撃の狼煙を上げ、41分にボックス右から中島裕希が右足でゴールを奪うと、45分には下田北斗が左足で狙い澄ました一撃を沈め、2戦合計スコアで3点差まで詰め寄って前半を終える。後半に入っても町田は怒涛の攻撃を見せたが、これ以上得点を奪うことができずにタイムアップ。2戦合計で5-2と勝利した新潟が、9年ぶりのベスト4入りを決めた。

 2年前の大会覇者であるサンフレッチェ広島は、3年前の王者である名古屋グランパスとの第1戦を1-0で勝利し、ホームでの第2戦に臨んだ。試合は序盤の9分、セットプレーからパトリックがヘディングシュートをねじ込み、名古屋が2戦合計スコアで同点に追いつく。
次の1点が生まれずに後半へ折り返すと、広島は新加入のゴンサロ・パシエンシアをピッチへ送り出す。主導権を握ったのは広島で、幾度となくゴールに迫ったが、名古屋も集中力を切らさずに対応。最後まで得点は生まれず、準々決勝では唯一の延長戦に突入した。

 延長戦に入っても試合の様相は大きく変わらず、ボールを握る広島に対し、名古屋はカウンターでゴールを狙う構図。流れの中から生まれたチャンスも少なくはなかったが、102分にセットプレーで次の1点が生まれた。広島は敵陣右サイド深い位置で新井直人が倒され、フリーキックを獲得。角度のない位置から東俊希がを直接叩き込み、ホームチームの広島が1歩前に出たが、試合はこのままでは終わらない。延長後半の112分、スピードに乗って左からボールを持ち運んだ永井謙佑が中央へ折り返すと、これがオウンゴールを誘発。諦めない名古屋が再び2戦合計スコアをタイに戻すと、延長後半アディショナルタイムには三國ケネディエブスのヘディングシュートがクロスバーに直撃。こぼれ球を稲垣祥が狙ったが、新井のブロックに阻まれ、勝負の行方はPK戦に委ねられた。

 PK戦では、先攻の広島において1人目のキッカーを務めたパシエンシアが失敗。対する後攻の名古屋は稲垣がきっちり成功させ、リードを奪う。
続く広島の2人目、満田誠が中央へ放ったシュートはGKランゲラックに阻まれ、名古屋はそのランゲラックが2人目のキッカーを担当し、ゴール左に叩き込む。追い込まれた広島は3人目の中島洋太朗が初めてキックを成功させたが、名古屋も森島司がゴールネットを揺らす。迎えた広島の4人目、松本泰志のキックをランゲラックが読み切り、PK戦は終了。PK戦を3-1で制した名古屋が、2年連続の準決勝へ進んだ。

 2023-24シーズンのAFCチャンピオンズリーグ(ACL)を戦ったヴァンフォーレ甲府川崎フロンターレの一戦は、川崎Fが第1戦を1-0で制して第2戦へ突入。甲府がホームに戻ってキックオフを迎えた試合は、31分に荒木翔の蹴った左コーナーキックから孫大河が頭でゴールネットを揺らし、甲府が2戦合計スコアをイーブンに戻す。このままのスコアで時計の針は進み、後半アディショナルタイムに突入したが、最後にドラマは待っていた。川崎Fは右サイド開いた位置でパスを受けたファンウェルメスケルケン際が右足でクロスボールを送ると、中央に飛び込んだ遠野大弥がヘディングでゴールネットを揺らす。遠野の2試合連続ゴールで川崎Fが土壇場で勝ち越しに成功。2戦合計スコアは2-1でタイムアップを迎え、川崎Fが4年ぶりの準決勝へ駒を進めた。

 第2戦の試合結果、および準決勝の対戦カード・日程は下記の通り。

◼︎第2戦・試合結果
※()内は2戦合計スコア
北海道コンサドーレ札幌 3-1(2戦合計:4-7) 横浜F・マリノス
FC町田ゼルビア 2-0(2戦合計:2-5) アルビレックス新潟
ヴァンフォーレ甲府 1-1(2戦合計:1-2) 川崎フロンターレ
サンフレッチェ広島 1-2(2戦合計:2-2/PK戦:1-3) 名古屋グランパス

◼︎準決勝対戦カード・日程
▼10月9日(水)
横浜F・マリノス vs 名古屋グランパス
アルビレックス新潟 vs 川崎フロンターレ

▼10月13日(日)
名古屋グランパス vs 横浜F・マリノス
川崎フロンターレ vs アルビレックス新潟
※キックオフ時刻は未定


【ハイライト動画】札幌はホームで勝利も横浜FMが準決勝へ



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