FIFAワールドカップ26アジア最終予選・グループC第2節が10日に行われ、中国代表とサウジアラビア代表が対戦した。

 5日に『埼玉スタジアム2002』で行われた第1節を0-7と大敗で終えた中国代表と、インドネシア代表との最終予選初陣を1-1のドローで終えたサウジアラビア代表の一戦。
両者最終予選の初白星を狙ったゲームは、序盤の14分にセットプレーで均衡が破れる。中国代表は右コーナーキックを獲得すると、フェルナンジーニョが左足でインスイングのボールを供給。これが相手のオウンゴールを誘い、ホームの大声援を背に戦う中国代表が先手を取る。

 直後の18分には、この試合の行方を左右する出来事が発生。敵陣右サイド低い位置で中国代表の3選手に囲まれたモハメド・カンノが、倒された後に足裏でジャン・シャンロンを突き飛ばす。OFR(オンフィールドレビュー)の結果、このプレーにレッドカードが提示され、サウジアラビア代表は残る70分以上、数的不利のなかで1点を追いかけることとなった。

 しかし、サウジアラビア代表はここから意地を見せる。前半も終盤に差し掛かった39分、左コーナーキックを獲得すると、ナセル・アル・ドーサリーが左足でアウトスイングのボールを入れる。これがニアサイドに飛び込んだハッサン・カデシュの頭にピタリと合い、ヘディングシュートがゴールに吸い込まれる。サウジアラビアが同点に追い付いて前半を終えた。

 後半に入ると、54分に中国代表が左コーナーキックからゴールネットを揺らす。再びリードを奪ったかに思われたが、最後に頭でボールを押し込んだワン・シャンユェンのポジションがオフサイドと判定され、得点は認められない。


 数的不利となったサウジアラビア代表は奪ってからの鋭いカウンターで反撃の隙をうがかうと、63分にはビッグチャンスが到来。左サイドを抜け出したサレム・アル・ドサリが角度を作って右足を振り抜くも、狙い澄ました一撃は無常にもクロスバーに嫌われる。

 その後は中国代表が地の利を活かして猛攻に出たものの、待望の2点目は奪えない。1-1で終盤に向かうと、またもセットプレーで試合が動く。サウジアラビア代表は90分、ボックス手前中央でサレム・アル・ドサリが強引にフィニッシュまで持ち込み、右コーナーキックを獲得。ムサーブ・アル・ジュワーイルが右足で蹴ったボールから、カデシュが豪快にヘディングシュートを叩き込んだ。カデシュのこの日2点目で、サウジアラビア代表が勝ち越しに成功した。

 試合はこのままタイムアップ。数的不利のなか、セットプレーで2点を奪ったサウジアラビア代表が、最終予選で初勝利を飾った。

 これにてアジア最終予選の9月シリーズは終了。第3節は10月10日に予定されており、中国代表は敵地でオーストラリア代表と、サウジアラビア代表はホームで日本代表と、それぞれ対戦する。

【スコア】
中国代表 1-2 サウジアラビア代表

【得点者】
1-0 14分 アリ・ラジャミ(OG/中国代表)
1-1 39分 ハッサン・カデシュ(サウジアラビア代表)
1-2 90分 ハッサン・カデシュ(サウジアラビア代表)
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