天皇杯 JFA 第104回全日本サッカー選手権大会・準々決勝が11日に行われ、サンフレッチェ広島ガンバ大阪が対戦した。

 前身の東洋工業時代以来55年ぶりの優勝を目指す広島は、今大会ここまでバレイン下関、いわきFC、愛媛FCを撃破。
3試合で17得点2失点と安定感も際立っている。対して9年ぶりの大会制覇を目指すG大阪は、福島ユナイテッドFC、テゲバジャーロ宮崎、湘南ベルマーレを下してベスト8進出を決めた。2024明治安田J1リーグで上位につけるチーム同士による準々決勝。ベスト4へ一番乗りするのはどちらのチームになるだろうか。

 試合の均衡が破れたのは14分、左から仕掛けたウェルトンが中央へラストパスを送ると、ボックス手前に陣取っていた山田康太が見事なファーストタッチから右足を一閃。狙い澄ましたシュートがゴール左下隅に突き刺さり、G大阪が先制に成功した。しかし、広島もすぐさま反撃。中谷進之介のパスミスからチャンスを作ると、加藤陸次樹がボックス手前中央から強烈なミドルシュートを叩き込み、わずか2分で試合を振り出しに戻した。

 失点直後、G大阪はGK一森純のフィードを受けたウェルトンが味方との細かなパス交換から敵陣ボックス内に侵入するも、至近距離からのシュートはGK川浪吾郎が好セーブ。その後は広島が高い位置でボールを奪うシーンが続き、得点こそ奪えないものの優位に試合を進めていく。前半の終盤にかけてはG大阪もやや盛り返したものの、互いに勝ち越しゴールを奪うことはできず、前半は1-1で終了した。

 後半の立ち上がりはG大阪がペースを握る。
49分に右CKを獲得すると、鈴木徳真のキックをファーサイドの黒川圭介が折り返し、最後は岸本武流がプッシュするも枠を捉えることができず。54分には右サイドを駆け上がった山下諒也がボックス内に侵入したが、中央への折り返しは味方に合わなかった。その後もプレス強度を高めつつ、69分には3枚替えを敢行。宇佐美貴史、ダワン、福田湧矢をピッチに送り込む。

 迎えた79分、G大阪は相手を押し込んだ状態でボールを回し、左からカットインしたウェルトンがボックス手前中央でラストパスを供給。これを受けた岸本がワントラップから左足を振り抜くと、グラウンダーのシュートがゴール左隅に突き刺さり、G大阪が勝ち越しに成功した。1点ビハインドとなった広島は失点直後に柏好文、川辺駿、ゴンサロ・パシエンシアを投入し状況の打開を図る。

 最終盤は広島がサイド攻撃を起点に何度も敵陣ボックス内にボールを送るも、G大阪の粘り強い守備に阻まれ同点ゴールを奪うことができない。試合はこのまま2-1で終了し、G大阪がベスト4進出を決めた。G大阪は10月27日の準決勝で横浜F・マリノスレノファ山口FCの勝者と対戦する。なお、準々決勝の残り3試合は今月18日と25日の2日間に渡って開催される。

【スコア】
サンフレッチェ広島 1-2 ガンバ大阪

【得点者】
0-1 14分 山田康太(ガンバ大阪)
1-1 16分 加藤陸次樹(サンフレッチェ広島)
1-2 79分 岸本武流(ガンバ大阪)
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