今季よりファビアン・ヒュルツェラー新監督の下でシーズンをスタートさせたブライトンは、ここまで4勝3分1敗とまずまずの滑り出しを見せ、来季の欧州カップ戦出場権獲得を狙える位置につけている。
一方で、ウルブスはここまで苦しすぎるスタートを強いられている。前節終了時点での成績は1分7敗で、現在はカラバオ・カップ(EFLカップ)も含めた公式戦で6連敗中。プレミアリーグでは第3節でノッティンガム・フォレストとのアウェイゲームを1-1のドローで終えた以外、全試合で黒星を喫しているが、ブライトン相手に復調の兆しを見せることはできるか。
両者は今季に入って既にカラバオ・カップ3回戦で対戦しており、当時はブライトンが3-2で勝利。ウルブス戦2連勝を狙うブライトンは、立ち上がりから主導権を握ったものの、最初の決定機を作ったのはアウェイチームだった。9分、敵陣左サイド大外で前を向いたラヤン・アイト・ヌーリのスルーパスから、うまく入れ替わったマテウス・クーニャが深い位置に侵入。マイナスへの折り返しに対して、トミー・ドイルがフリーで合わせたが、シュートはクロスバーの上へと外れた。
対するブライトンは13分、敵陣へ押し込んだ状態のなか、ペナルティエリア手前右寄りの位置で前を向いたヤン・ポール・ファン・ヘッケからのアーリークロスに、ダニー・ウェルベックが頭で合わせたが、シュートはわずかにクロスバーの上へ。22分には敵陣中央でヤシン・アヤリからボールを引き取った三笘がミドルシュートを狙うも、ここは相手にブロックされる。その三笘は32分にも、ゴール前のルーズボールに反応するが、GKジョゼ・サに阻まれ、ゴールとはならない。
前半はこのまま終盤へ向かっていったが、45分に均衡が破れる。
後半に入ると、ウルブスが徐々にゴールを脅かす場面を増やす。53分には左コーナーキックからヨルゲン・ストランド・ラーセンがヘディングシュートを放つも、ここはGKバルト・フェルブルッヘンの正面。67分には左サイドからのドリブルで縦に破ったクーニャが左足で狙ったが、ここもGKフェルブルッヘンに阻まれる。
一方でブライトンも、カルロス・バレバやリュテールがゴールに迫るシーンを作り出すも、追加点を奪うまでには至らない。このまま1点差で終盤に突入すると、85分には敵陣でのボール奪取からタリク・ランプティが右サイドを前進。中央へ送ると、エヴァン・ファーガソンがうまくシュートコースを作り、強烈な一撃を突き刺した。途中出場した2人が絡んで、ブライトンが勝利を手繰り寄せた。
だが、諦めないウルブスも88分、パブロ・サラビアの蹴った右コーナーキックにクーニャが合わせ、ブロックされたボールにクレイグ・ドーソンが反応。このシュートも阻まれたが、こぼれ球をアイト・ヌーリが左足で叩き込み、1点差に詰め寄った。
さらに後半アディショナルタイム、最終ラインでボールを奪ったドイルが背後のスペースへボールを送り、ウルブスがカウンターへ出る。右サイドから中央へ運んだクーニャは、複数の選択肢を匂わせながら右足を振り抜くと、ディフレクションした一撃はクロスバーに当たってゴールに吸い込まれる。土壇場の一撃でウルブスが試合を振り出しに戻した。
試合はこのままタイムアップ。ブライトンは土壇場の失点で3連勝を逃した。三笘は89分に途中交代している。一方のウルブスは、背番号10の劇的ゴールにより、プレミアリーグにおける連敗を「5」でストップ。他会場でサウサンプトンが敗れたため、最下位を脱出した。
この後、ブライトンは30日にカラバオ・カップ4回戦で遠藤航が所属するリヴァプールとホームで対戦した後、続く11月2日にも次節のプレミアリーグでリヴァプールの本拠地に乗り込むという、リヴァプールとの2連戦が予定されている。一方、ウルブスは2日、次節のプレミアリーグで鎌田大地が所属するクリスタル・パレスをホームに迎える。
【スコア】
ブライトン 2-2 ウルヴァーハンプトン
【得点者】
1-0 45分 ダニー・ウェルベック(ブライトン)
2-0 85分 エヴァン・ファーガソン(ブライトン)
2-1 88分 ラヤン・アイト・ヌーリ(ウルヴァーハンプトン)
2-2 90+3分 マテウス・クーニャ(ウルヴァーハンプトン)
【ゴール動画】ブライトンは2点を先行も…