現在38歳のカスタン氏は、母国ブラジルのアトレチコ・ミネイロでプロキャリアをスタート。
インタビューに応じたカスタン氏は、脳腫瘍が見つかった2014年を回想。ローマ対エンポリのハーフタイムに体調不良を訴えて交代した同選手は、「検査のあとクラブから自宅に帰された。チームドクターは何かを心配していたようだが、原因は教えてくれなかったんだ。最初の15日間は本当に最悪だった。立ち上がることもままならず、嘔吐が続いて体重は20キロも落ち、力もまったく出なかった」と当時を振り返っている。
さらに、「当初、ローマは私から全てを隠そうとしていた。私は孤立してSNSも削除していたが、ある日、ふと携帯を見てしまったんだ。Twitterで『レアンドロ・カスタンが脳腫瘍を患っており、死の危険もある』という記事が書かれていた」と告白。
一方、復帰に向けた道のりについては、「クラブは最高の医師を手配し、私がプレーできない間も給料を払い続け、契約まで更新してくれた」とローマに対する感謝も強調。「(復帰後)最初のトレーニングの日、チームメイトがボールをパスしてくれた。私は足の裏で止めようとしたが、足を見たら動いていなかったんだ。自分の体をまったくコントロールできなかったよ。かつての自分を取り戻したいという強い思いがあったが、それができない現実を受け入れることができなかった。自分自身を壊していくような感覚だ」と苦悩を思い起こしつつ、「ローマとイタリアは僕を息子のように扱ってくれた。この街とこのクラブを僕は心から愛しているし、これからもずっと愛し続ける」と語っている。