マンチェスター・ユナイテッドに所属するイングランド代表FWマーカス・ラッシュフォードのバルセロナ移籍が決定的となったようだ。イギリスメディア『スカイスポーツ』など複数のメディアが19日に一斉に報じている。


 現在27歳のラッシュフォードはマンチェスター・ユナイテッドのアカデミー出身で、これまでの公式戦通算では426試合出場138ゴール77アシストを記録。2018-19シーズンからは背番号10を着用するなど、“赤い悪魔”の中心選手として活躍を続けてきたが、2024年12月にはルベン・アモリム監督に練習中のパフォーマンスを指摘され、突如としてメンバー外となる日々が続いた。最終的には冬の移籍市場でアストン・ヴィラにレンタル移籍し、公式戦通算17試合出場4ゴール6アシストを記録。今年3月にはおよそ1年ぶりのイングランド代表復帰も果たしたが、アストン・ヴィラは買い取りオプションを行使しなかった。

 ラッシュフォードにマンチェスター・ユナイテッドで新シーズンを迎えるつもりはなく、イギリスメディア『BBC』によると、既に退団希望の意思をクラブに伝えたという。チーム合流は7月下旬まで延期されており、自らが背負ってきた10番は新加入のブラジル代表FWマテウス・クーニャに渡っていた。

 このような状況のなか、ラッシュフォードの状況に進展があった模様だ。今夏の移籍市場が開く前から、バルセロナが同選手に対して熱視線を送っていると報じられてきたが、今回の『スカイスポーツ』の報道によると、既に両クラブは大筋合意に達したようだ。形態は買い取りオプション付きのレンタル移籍で、現在はバルセロナがシーズン終了後に買取オプションを行使しなかった場合の給与支払いおよび補償について議論が重ねられている模様。これらの条件が最終決定された後、ラッシュフォードはバルセロナへ飛ぶこととなる。

 バルセロナを率いるハンジ・フリック監督は、既にラッシュフォードとの面談を実施。クラブには移籍の“ゴーサイン”を伝え、加入を歓迎しているという。


 移籍市場に精通するイタリア人記者のファブリツィオ・ロマーノ氏も19日、お馴染みの文言である「HERE WE GO!」とともに、ラッシュフォードのバルセロナ移籍が決定的になったと指摘。今後数日以内にメディカルチェックが実施される見込みだと伝えた。

 なお、バルセロナのトップチームに過去在籍経験のあるイングランド人選手は、1986-87シーズンから3年間プレーしたゲーリー・リネカー氏のみ。2017-18シーズン途中からはマーカス・マグエイン(現:ブリストル・シティ)も在籍経験があるが、同選手はバルセロナBの所属。スーペルコパ・カタルーニャでトップチームのピッチに立ったことはあるが、ラ・リーガに登録されたことはない。今回、ラッシュフォードのバルセロナ移籍が成立した場合、バルセロナのトップチームで史上2人目のイングランド人選手が誕生することとなる。
編集部おすすめ