
ホームにベトナム王者を迎え撃ったAFCチャンピオンズリーグ2016のグループステージ第2戦。試合を優位に進めながらゴールを決め切れなかったFC東京は、23分にカウンターから失点を喫してしまう苦しい展開を強いられる。後半立ち上がりの50分にネイサン・バーンズのゴールで同点としながら、66分にはサンダサがPKを止められて絶好機を逸していた。
ここで若武者の左足がスタジアムに漂い始めた嫌なムードを一気に払拭する。
1-1の同点で迎えた68分に右CKから鋭い左足キックで相手のオウンゴールを誘発して逆転ゴールを呼び寄せると、84分には再び右CKから左足で前田遼一の追加点を演出。苦しい展開を強いられたチームを、FC東京でのデビュー戦となった若きレフティーが勝利に導いた。
ルーキーイヤーの昨シーズンは3月にU-22・Jリーグ選抜として明治安田生命J3リーグで1試合に出場したものの、FC東京での出場機会はゼロ。だが、チームメイトだった同じ左利きの左サイドバックだった太田宏介(現フィテッセ/オランダ)のプレーを日々近くで学び、実際に太田からもアドバイスをもらっていた。
「クロスの練習で自分と一緒に左サイドにいたので、いつも間近で見ていました。太田選手には蹴り方とか狙いどころを指導してもらったので、出番がない中でも成長できた一年間だったと思います。試合に出られず悔しい思いをしていましたけれど、しっかり積み上げてきたことが結果につながってうれしい」