
【プラス材料】
リーグ戦第20節までに挙げた白星は、すべて完封によるもの。1失点でも喫したゲームでは、勝利をつかめていなかった。だが前節は、一度は同点に追い付かれたが、大久保嘉人のテクニカルなゴールで勝ち越し、リーグ7試合ぶりの勝ち点3を手にした。
失点を喫しても、そこで崩れることなく立て直しを図れた要因の1つとして、チャン・ヒョンスの存在が挙げられる。今夏、4年ぶりにチームに復帰後、初出場を果たしたチャンだが、3バックのセンターとして守備陣をけん引。それだけでなく、試合終盤には彼を中盤に上げ、アンカーの髙萩洋次郎が一列前でプレーする時間帯もあり、チームのバリエーションを広げている。
また、前田遼一にようやく今季リーグ初ゴールが生まれたことも明るい材料だ。
【マイナス材料】
3試合連続で相手のFKとCKから失点を喫しており、セットプレーに対する守備の改善は急務だ。ただし、この3連戦では攻撃陣、守備陣共に、各々のコンディションを重視し、メンバーを固定せずに臨んできたため、組織としての整備を高めていくにはまだ連係不足と言えるだろう。
暑さのもとでの3連戦を乗りきるために、前節は徳永悠平や、ピーター・ウタカを「休ませる」形でやり繰りをしてきた。次節も先発メンバーは流動的だが、中盤の髙萩、橋本拳人、室屋成らは、替えが効かない存在。その疲労回復具合は気掛かりだ。