8月26日、「EXILE CUP 2018」東北大会が青森県青森市にある新青森県総合運動公園球技場で開催された。同大会は株式会社LDH JAPANが主催する小学校4年生から6年生を対象としたフットサル大会で、9回目を迎えた今年は初の青森県開催。
東北エリアから全36チームが集結し、白熱した戦いを繰り広げた。

 開会式には特別ゲストとしてラモス瑠偉さん(ビーチサッカー日本代表監督)が登場。「今日一日みなさんのプレーを見守っている。いつもの練習の成果を発揮しフェアプレーで頑張ってほしい」と選手たちを激励した。またDEEPのYUICHIROさん、RYOさん、Happinessの川本璃さんも駆けつけエールを送ると、EXILE ÜSA さん(大会スペシャルサポーター)考案、EXILE CUP恒例の「EXダンス体操」で選手たちと一緒に楽しくウォーミングアップを行った。



 1ブロック4チーム、全9ブロック(A~Iブロック)による予選リーグは、各ブロック1位チームと、各ブロック2位の中から成績上位7チームのみが決勝トーナメントへ進める。
試合は6コートで同時に行われ、予選リーグの競技時間は7分の前後半戦。ピッチ上ではカラフルなユニフォーム姿の選手たちが激戦を繰り広げ、チーム一丸となったプレーに会場のあちこちから歓声が響いた。

 予選リーグでは大差がつくゲームが目立ち、各チームの実力が浮き彫りとなった。Bブロックはむつフットボールクラブジュニア(青森)が圧倒的な攻撃力で得点を重ね、18得点無失点で首位通過を果たした。また、Dブロックの青森FC U-12(青森)は、初戦でFCトゥリオーニ(青森)に先制点を許すも、残りの試合を大差で勝ち越し、得失点差+12でリーグ2位で決勝トーナメント進出を決めた。女子選手が所属するチームも大健闘し、体格差をうまく活かした一生懸命なプレーが目立った。


 予選リーグ全54試合が終了。決勝トーナメントに勝ち残ったチーム16チームの内訳は青森12チーム、秋田2チーム、宮城2チーム。東北1位の座をかけた戦いが始まった。

 決勝トーナメントでは激しいボールの奪い合いが増え、どのチームも気迫ある攻撃で観客を沸かせた。むつフットボールクラブジュニアはFCフューチャーズ(青森)と対戦。序盤から3得点を奪われる苦しい展開に。
圧倒的な高さを持ち、女子選手も活躍するFCフューチャーズ相手に最後まで粘り強く立ち向かうも、決勝リーグ初戦で敗退となった。

 準々決勝はMESSE宮城FC(宮城)、藤坂南SSS(青森)、仁井田レッドスターズ(秋田)、FCフューチャーズ(青森)、ヴィペール弘前FC(青森)、青森FC U-12(青森)、BTO1st(ブレイジング・トルシーダ・オオダテファースト)(秋田)、黒石FC U-12(青森)の8チームが進出。得失点差+25という脅威の数字で予選リーグを通過したヴィペール弘前FCと青森FC U-12がここで激突し、互いに一歩も譲らない戦いの末、0対0のままPK戦へ。3-2でヴィペール弘前FCが強豪、青森FC U-12を下し、準決勝へとコマを進めた。

 準決勝にはMESSE宮城FC、仁井田レッドスターズ、ヴィペール弘前FC、BTO1stの4チームが勝ち進んだ。MESSE宮城FCと戦った仁井田レッドスターズは、序盤から力強いシュートを連発。
2-1で決勝進出を決めた。もう一方のコートではヴィペール弘前FCとBTO1stが対戦し、個人のスキルが高いヴィペール弘前FCに、BTO1stがシュート力と決定力の高さで攻勢を崩さず、4-1で決勝進出となった。

 ヴィペール弘前FCの工藤公樹監督は、「予選リーグでは大差で勝ち上がることができ、盛り上がった気持ちで決勝リーグに臨んだ。相手チームに身体が大きい選手が多い中、気後れせずにチャレンジでき、子どもたちも成長できた」と選手たちの健闘を讃えた。



 決勝は仁井田レッドスターズ対BTO1stの秋田県勢同士の戦いとなった。序盤から仁井田レッドスターズの鎌田琉佑(かまだりゅうすけ)君、鎌田凰佑(かまだこうすけ)君の双子コンビが息の合ったパスワークで攻撃するも、BTO1stの堅い守備を崩せない。
すると、隙をついたBTO1stの杣有輝哉(そまうきや)君が鮮やかなシュートで先制点を決め、前半は0-1で終了。さらに士気が上がった後半、開始早々にBTO1stの畠山相良(はたけやまあいら)君が追加点を決めると、すかさず後半2分、仁井田レッドスターズの鎌田(凰)君が素早いプレーで1点を返す。このあとBTO1stが畠山君、仲澤素晴(なかざわすばる)君が立て続けにシュートを決め、4-1と引き離した。仁井田レッドスターズは果敢にゴールを狙っていき、鎌田(凰)君が1点を押し込むも、最後は4-2でBTO1stが決勝を制し、優勝に輝いた。昨年に引き続き、東北大会は秋田のチームが東北を制する結果となった。

 敗れた仁井田レッドスターズの長谷川祐市監督は「チャンスはうちにもあったが、決定力はBTO1stが上だった。
選手たちは今自分にできることをしっかりやったと思う。決勝で負けるという一番悔しい負け方だったが選手にとってはいい経験。この悔しさを忘れないでほしい」と語った。

 優勝したBTO1stの畠山靖隆コーチは「大会を通して『全員が出場し、楽しんでプレーする』という目標を果たせたので良かった。昨年は3位だったので、念願の優勝」と笑顔を見せた。「決勝大会ではさらに子どもたちのモチベーションを上げ、東北代表としてしっかり備えたい」と意気込みを語った。

 9月に愛媛県今治市のありがとうサービス・夢スタジアムで開催される決勝大会。今大会で見せてくれたBTO1stの勢いと決定力のあるプレーで一心不乱にボールを追いかけ、東北から頂点に駆け上がってもらいたい。

文=鈴木麻理奈 写真=世永知樹