2018年末に小笠原満男、中澤佑二、楢崎正剛、川口能活といった偉大な選手たちが次々とユニフォームを脱いだ。それでも中村は進化を追い求め、時代の最先端を走り続けてきた。だからこそ、38歳になった今も日本サッカー界のトップに君臨できている。
「満男さんたちが引退したのは寂しいこと。でも僕はまだこのチームで走り続ける決断をしている。38歳であることには変わりないし、今年も頑張るだけです」(中村)
中村は以前から「ベテランの価値を認識させたい」という思いを抱いてきた。昨今のJリーグではベテランが逆風を受けることが多いからだ。昨年も同い年の玉田圭司(V・ファーレン長崎)が名古屋グランパスからゼロ円提示を受け、1つ年下の駒野友一(FC今治)、山瀬功治(愛媛FC)、前田遼一(FC岐阜)らも契約満了となり、移籍先を模索した。年齢はどんなアスリートにとっても抗えない壁だが、他を凌駕する際立った武器や魅力があれば、チームから必ず求められるはず。中村はその重要性をしっかりと示してくれている。
『ここぞの場面』で仕事ができる特別な存在